君と紡ぐ永遠＊３

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『時間が流れても、悲しみはずっと消えないと思います。

　だけどこの悲しみを知ったからこそ今の自分があると思うし、

　何年後の未来でもそう思っていたい。

　悲しみと一緒に生きていくことを怖がらずに……。

　そう考えられるようになったのは、家族や、大好きな人たちのおかげです。

　これからは少しでも、わたしも誰かのそんな存在になれたらいいなって』





そう言って、少し照れたように笑うAでＶＴＲは終わり、スタジオに映像が戻る。

Aをベタ褒めする男性キャスターの横で、

もう１人のメインキャスターの女の人は目を真っ赤にして泣いていて、

さすがにそれには他の共演者たちも驚いている。

すぐに笑顔になって、次のコーナーの紹介をしてまた映像が切り替わったけど。


負けないくらいボロ泣きしていた僕には、

そのあとのコーナーも全然入ってこなかった。









会いたいよ、A。






会っても僕がAに出来ることは、何もないとしても。

そう思うことを、許してほしい。


だけどそんな優しさを受け止めるだけの僕に、

Aはいつまで笑ってくれるんだろう。



そう考えたら、自分が、自分のことが、許せそうにもなくて。









『―いや〜先ほどの白戸さんには我々はもちろん視聴者の皆さんも驚いたようです』

『お恥ずかしいところを見せてしまってすみませんでした！』

『お聞きしたところ、なんと先ほどのAさん、白戸さんの娘さんだとか』




「…………は？」





番組終わりのトークで聞こえてきた単語にまたフリーズ。


なんていった？娘？誰が？誰の？？？


またしても？を作るのに忙しくなった頭の中を整理する間もなく、

画面の中でまだ少し目の赤い女の人は気まずそうに言った。






『私事で申し訳ありません。白戸は旧姓ですし、

　スタッフの方もそうと知らずに取材に行かれたようで…わたしも本当に驚きました』


『も〜黙ってらっしゃるなんて…言ってくだされば、とカンペも出てます』

『今は離れて暮らしていらっしゃるとか？』


『ええ…被災地の皆さんには身勝手で申し訳ない言い分ですが…

　一緒に暮らしてほしいと言ったんです。

　でも断られました。ここでわたしに出来ることを見つけたいからと。

　今日は我が子ながら頭が下がる思いです。

　……ただの親バカですね、すみません』








そう言って目元をハンカチで押さえて笑う姿は、

確かにAと雰囲気が似てる…気もする。

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