キャント・ヘルプ・フォーリン・ラブ ページ12
４月に入ると、いよいよ本格的な春の気配が漂い始めた。
でもそれは、ここが仙台じゃないからだろうか。
そう考えると、嬉しいはずの春の訪れも喜ぶ気持ちになれない。
「ありがとうございました」
「ん。神戸の方にはいつ行くの？」
「３日前から使っていいそうなんで…明後日かな」
「そう。頑張んなさい」
「…はい」
小学生の頃お世話になっていたコーチを頼って神奈川のリンクに来てから、もう１週間以上になる。
ホテル暮らしは昔から遠征とかで慣れてる方だけど、
それは安心して帰る場所があるからこそだと痛感する。
外に出ると、ちょうど日が暮れようとしていた。
そのあまりの美しさに思わず携帯のシャッターを押すと、
それをしばらく眺めてから、メールを立ち上げる。
『今日の夕日、超きれい』
そう一言だけ添えて、送信。
リンクから徒歩圏内にあるホテルへ向かう途中、
手に持ったままだった携帯が震える。
『ほんとだ、すごく綺麗。見せてくれてありがとう。』
絵文字も顔文字もないシンプルな文章が、Aらしい。
すぐにもう一度携帯が震えて、写真添付ありの表示が見えた。
『こっちの空は、曇り』
「ほんとだ。雪とか降りそう」
そう思わず呟いた自分に、笑いがこみ上げて。
さっきまでの少し暗い気持ちも、なくなりはしないけど少し薄れたような気がした。
こういう時、どうしようもなくAが恋しくなってしまう。
そんな自分の弱さが情けない。
あの日、もうスケートを選んでいいと言った、Aの顔は少し泣きそうだった。
胸がしめつけられる思いで言いかけた声を遮ったのは、
図書館で言われた、忘れられない言葉だった。
暖房が薄く効いた空気に吐き出されたそれは、
どこまでも悲しくて、傍にいてほしいっていう叫びにさえ聞こえたのに。
あの日の声は、もう何かを決意してしまった音だった。
それは僕をどうしようもなく、なんで、どうして、って、
やるせなくて悔しい気持ちにさせたのに、
どこか少し安心している自分もいて。
そんなずるくて最低な自分に、何も言えなかった。
Aの傍にいたいと思った気持ちは嘘なんかじゃない。
だけどどうしても切り離せなかった気持ち。
それをAに見透かされていたことが、恥ずかしくて情けなくて。
そう思っていることも知られたくなくて、何も気にしていないふりでメールを送る自分は、
やっぱり、ずるくて最低だ。
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詩文(プロフ) - 智枝さん» 直前の、しかも骨折ということで…ご本人の気持ちを思うと本当に胸が痛いですね…。プル様も、またショーなどで元気なお姿を見せてほしいところです♪ わ、それは羨ましい！小塚さんの生スプレッドイーグルをわたしの分まで目に焼き付けて来てくださいませ〜(*ﾟ▽ﾟ*) (2016年3月19日 19時) (
レス) id: 4f7d9808f9 (このIDを非表示/違反報告)
詩文(プロフ) - 智枝さん» ありがとうございます〜！！陸くんはクラスメイトとか、入ってきたら後輩とかにモテるタイプではないかと！(笑)佳菜子イメージ通りですか？良かったぁ〜ヽ(*´∀｀)ノ個人的に飛び蹴り入れたってとこが書いててありだなと思いました(笑)次の番外編もお待ちしてます♪ (2016年3月19日 19時) (レス) id: 4f7d9808f9 (このIDを非表示/違反報告)
智枝 - そーたやプル様には快復に向かうよう、祈るばかりです。こづの勇姿は4/16,17のSOIでしっかり見届けてくるね！ (2016年3月18日 15時) (携帯から) (レス) id: 8a519c5c92 (このIDを非表示/違反報告)
智枝 - 陸くーん！(涙)たくましく育ってますね〜！嬉しい！私の中ではちょーイケメン設定で楽しみました♪きゃなこはもう・・・まんまっすね(笑)続編、番外編ありがとうございまーす♪ (2016年3月18日 14時) (携帯から) (レス) id: 8a519c5c92 (このIDを非表示/違反報告)
詩文(プロフ) - かりん。さん» わ〜そう言って頂けて良かった！陸くん話は超ノリノリで書いたのでわたしとしても思い入れができました(笑)幼馴染と２人で結婚式に出席してお祝い言ってくれるとこまで妄想済みです← ゆづかなは是非こうあってほしい！(*´∀｀)コメント本当にありがとうございました♪ (2016年3月16日 22時) (レス) id: 4f7d9808f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩文 | 作成日時：2015年9月7日 13時
