『本当の裏切り者は誰だろう』

LIAR277 ページ5

「……助けるためって？」




桜乙ちゃんは目を合わせない


目を一切逸らさず話すAとは正反対だ




「おねーちゃんは可哀想なの」




「え？」




可哀想？



なにが？





「何も取得がなくて、誰にも愛されなかった。可哀想なお姉ちゃん。」





本気で哀れむような目で笑う




愕然とした。




何を言ってるの？



確かに昔は孤独だったのかもしれないけど、今はたくさんの人に愛されてる


"可哀想"なんかじゃない。




「それ、桜乙ちゃんの考え？」




「お父さんが言ってたの」




「……」




ふざけるな。



自分の娘を可哀想？そんなの父親じゃない。



Aがどれだけあの傷で辛い思いをしたのか知らないの？




原因は自分でしょ。





「まふくん？」





「……Aのお父さんに会わせて」






桜乙ちゃんを見て言った



僕の顔が怖いのは仕方ない





「だめ。」




「なんで？」





「また、お父さんが誰かを傷つけるから」





「そう、、」








何故Aも桜乙ちゃんもこんなに父親を庇うの？

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