仕方なく、だ ページ16
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ヒソカは走りながら、私を俵担ぎする。
そんな彼は、いつになく少し切羽詰まったような声音で話し出した。
「キミは一体、何者だい？♦」
『一般人です』
「なのにとっても隠が上手なんだね♡」
『家系です』
「すっごい慣れた手付きで僕の股間に蹴りを入れたね♠」
『股間を蹴ったのは初めてです』
いいか私。コイツはピエロで変態で戦闘狂の害悪だぞ。
まるで私が、自分はA＝ゾルティックだと名乗ることを期待しているなんてこと、絶対にないぞ。騙されるな。
ただ今のヒソカは、誰から見ても焦っていることは明白だった。
こんなことが今まであっただろうか。
躊躇いもなく人を殺し、殺人を快楽だと感じるこの男が、こんなにも心を乱されている。
それが手にとるようにわかる少女は、ついぽろっと何かを喋ってしまいそうになる恐怖心にかきたてられていた。
「…じゃあ最後だ。僕のことは嫌いかい？♦」
眉を下げて問いかけるこの男は、分かっているのだ。
私が家族を一番大切に思っていることを。蜘蛛が私の生きる糧だということを。…そして、私が本当に好きな人は嘘でも嫌いと言えないことを。
『…………のー』
「っ！！」
急に立ち止まったヒソカは、私の返事を聞いた瞬間、強く私を抱きしめた。
つくづく私は、ヒソカに弱い。
あばらが折れそうになるのを感じていれば、私の耳に掠れた声が届く。
「一体どこに…行ってたんだい……」
その声には、少し涙も混じってるように感じた。
…感じただけだよ、きっと。
「ほんとに、Aかい？♦A＝ゾルティックかい？♦」
『正直言うと、そうだよ』
もう色々と諦めた私は、吹っ切ることにした。
一旦下ろしてもらい、フードを外す。
ヒソカの目を見つめれば、彼は遠慮気味に私の短い髪を撫でてきた。
「あんなに長かったのにねぇ…♦」
『んね。でもこれはこれでまぁ、動きやすいかな』
恨めしい視線を私の髪に向けながら、彼は言葉を紡いだ。
「髪の毛、欲しかった…♥」
『きしょ』
やめてくれ。
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メロンパン18号 - 好感度系の作品をH×Hでやってくれるなんて…主様ありがとうございます！読ませていただきます！ (2023年4月3日 14時) (
レス) @page39 id: fd8275b1aa (このIDを非表示/違反報告)
ふぃあろ(プロフ) - もさん» まじですかありがとうございます！！！！ (2023年3月22日 15時) (レス) id: 57f453a332 (このIDを非表示/違反報告)
も(プロフ) - 最高…！ (2023年3月22日 10時) (レス) @page40 id: f3ac1f4c1b (このIDを非表示/違反報告)
ふぃあろ(プロフ) - ぽちゃ子さん» うわぁ！嬉しいです！！！ありがとうございます！！！頑張りますね！！！ (2023年3月22日 8時) (レス) id: 57f453a332 (このIDを非表示/違反報告)
ぽちゃ子(プロフ) - 文章が読みやすくて内容がスルスルと頭に入ってきました！！頑張ってください！！ (2023年3月21日 22時) (レス) @page33 id: a18afddbb5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふぃあろ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/uekukz/
作成日時：2023年3月18日 20時
