逃げられない運命 ページ13
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「そっちが本物だね♥」
トランプを操りながら、ヒソカが続ける。
「試験官というのは、審査委員会から依頼されたハンターが無償で任務につくもの♠我々が目指すハンターの端くれともあろう者が、あの程度の攻撃を防げないわけがないからね♣」
「褒め言葉ととっておきましょう。しかし、次からはいかなる理由でも、私への攻撃は試験官への反逆行為とみなして即失格とします。よろしいですね」
「はいはい◆」
つまり、殺すつもりで繰り出した攻撃を防ぎ得るか否か……ヒソカは試験官であるサトツと、死体に成り果てた男を試したのだ。
…流石ヒソカ。戦闘狂だ。
「それでは参りましょうか、二次試験会場へ」
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再開された一次試験は、受験生にとってまさに難関であった。
先導のサトツからはぐれてしまった一団など、百人単位が悲鳴と怒号の渦に巻き込まれている。
ぬかるみに足を取られ、濃霧が視界を遮る。おまけに、得体の知れない動植物。
己の力量を見誤り、ここへ来てしまった者の末路は……皆まで言わずとも。
どう考えても、陽気にマラソン出来る場所じゃない。
そんな中一人、あらぬ方向に走っている少女がいた。
『あらまこれ…はぐれたわ。詰んだ』
少女は考える。
いや、円してもいいけどヒソカいるじゃん。円したらばれるじゃん。めんどくさいんだよなぁ……。
あのピエロ顔をホラー映画さながらの怖さにしながら走ってやってくるのだろう。トラウマを植え付けられるならもはや試験を辞退した方がいいのではないかと思い始めた。
いやでもそれだと私の天使と離れることに…と一人呑気に葛藤していれば、すぐそばの林から、数人の人の気配がする。
過去の癖なのか、気配を消し、隠を行う少女。
無意識に行ったそれは、現役時代には劣るものの、かなりの精度を誇るものだった。
そんなこととはつゆ知らず、木と木の間からは顔をのぞかせた彼女は、再び詰むこととなる。
「…うぉおおおおおっ!!」
『あ、だめだこりゃ。どう考えてもヒソカコースだ』
目の前には男の人と、そして楽しそうなヒソカがいた。
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メロンパン18号 - 好感度系の作品をH×Hでやってくれるなんて…主様ありがとうございます!読ませていただきます! (2023年4月3日 14時) (レス) @page39 id: fd8275b1aa (このIDを非表示/違反報告)
ふぃあろ(プロフ) - もさん» まじですかありがとうございます!!!! (2023年3月22日 15時) (レス) id: 57f453a332 (このIDを非表示/違反報告)
も(プロフ) - 最高…! (2023年3月22日 10時) (レス) @page40 id: f3ac1f4c1b (このIDを非表示/違反報告)
ふぃあろ(プロフ) - ぽちゃ子さん» うわぁ!嬉しいです!!!ありがとうございます!!!頑張りますね!!! (2023年3月22日 8時) (レス) id: 57f453a332 (このIDを非表示/違反報告)
ぽちゃ子(プロフ) - 文章が読みやすくて内容がスルスルと頭に入ってきました!!頑張ってください!! (2023年3月21日 22時) (レス) @page33 id: a18afddbb5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふぃあろ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/uekukz/
作成日時:2023年3月18日 20時