自由部活動記録 (ページ10)

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玲衣side

先輩が、ろんに向かって思いっきりバットを振った。

「ｯうおっ！？あっぶね！」

「ﾁｯｯ！避けてんじゃねえよ！！オラアッ！」

先輩が思い切り振ったバットがろんの頬をかすった。

やっば。今日の先輩ガチじゃん。

「オラオラ！もっと近くに来てみろよ！」

今日は雷華も居ないしそのうえ、先輩は武器を持っている。だから、簡単には近づけない。下手したら病院行きになるし。

「玲衣！俺が先輩の注意逸らしとくからお前はどうにか隙を突いてくれや！」

ろんが子声でそう言った。よし、思いっきり蹴りでも入れるか。

「！…おっけー、任せろ！」そう小声で返事すると僕は先輩に近づいて足を振り上げた。

「おおっと！そんな直ぐにやられるかよ！！！お前らの動きはわかってんだ！」

「ｸｯ…！」

先輩が僕の蹴りを止めた。いつもクリーンヒットしてたのに…、動き分析されたか…。

くっそ、雷華来てくれないかな。雷華なら今の先輩武器持ってるし興奮して直ぐに倒してくれそうなんだけど。なんで、こういう時に限ってコーヒーゼリー買いに行ってんだよ。

今回は、長引きそうだなぁ。

苦戦してるにもかかわらず迂闊にそう考えていた。

「いっ！？誰だ！？」

「先輩〜楽しそうだね僕も混ぜてよ♡」

ハッとして先輩の方を見ると雷華が居た。見る限り、雷華が先輩を殴ったのだろう。ナイス、雷華。満面の笑みで殴りかかるのは流石に僕でもちょっと怖いけど、ナイス

まぁ、今の先輩は武器を持ってるししょうがないか。雷華は武器を持ってる人を見ると興奮するという特殊性癖を持っているわけだし。

「何でこんな楽しそうなイベントに誘ってくれなかったの？電話してくれたら飛んで来たのに」

「「お前キモ」」

「そもそも！お前喧嘩の時性格変わり過ぎやねん！特に相手が武器持ってる時！！」

「しょうがないこいつは変態だから」

「二人共酷い」

だってそうじゃん。武器持ってる人を見ると興奮するなんて特殊性癖持ってる人間が変態じゃないわけない。

「お前ら俺の前で呑気に話してるんじゃねえ」

先輩が言った。

「分かったからそんなに怒ん無いでよ」

雷華がニヤつきながら言う。きっも、なんなら先輩も少し引いてんじゃん。

ドガンッッッ！！

先輩が雷華の方にバットを思いっきり振った。

「さっきのお返しだ！」

「ﾁｯ、……よ」

バットが雷華の頬をかすった。

そして雷華がキレた。あーぁ、先輩お疲れ様。こうなったらもう雷華は止められないからな