28 ページ28
.
ビックリしているのも束の間、直ぐに離された柔らかい感触に何が起きたのかを理解することが出来なかった。
中『…へ？』
俺はキョロキョロしながら、薮くん達の方を見てみたが冷蔵庫の中に入ってる飲み物を選ぶことに夢中になっていたり、スマホを弄っていたりと俺たちのことには全く気付いていないようだった。
伊「…取れたよ？」
中『ありがとう…ございます』
伊「どういたしまして。」
中『えっ…？な…んで？』
俺の頭の中は整理が未だ出来ていなくて全く処理が追いついていない状態だった。
ただ、先程起きたことを確かめるように俺は自分の口元に指を這わせた。
伊「…そういえば、圭人に戻ってこないね？」
中『あっ、ふえっ？そうだね、メイク室で話し込んじゃってるんじゃない？』
伊野ちゃんは頭の中がパニック状態の俺の気持ちを知ってか知らずか、圭人の話を振ってきてかなり変な声を出してしまった。
伊「もう行っちゃおう？きっとそろそろ終わるよ。」
中『そ、そうだね、行こうか。』
伊「薮、知 念、俺たち先に来たからメイク行っちゃうね？」
薮「はーい、いってらっしゃい。」
知「はーい。」
俺は伊野ちゃんに連れられるように一緒に楽屋を出た。いつものんびり歩くくせに、今日はちょっと早歩きの伊野ちゃんを追いかけながら歩く。
誰もいないことを確認して、俺は伊野ちゃんの腕を掴んで気になっていたことを聞いてみた。
中『ね、ねぇ、伊野ちゃんさっきのって…』
伊「…突き飛ばしたお詫びと、コートの延長料金。」
伊野ちゃんは足を止めてくれて、俺の目を見て話してくれた。その目はキスなんて対したこと無いといった、呆れたような目をしていた。
中『あ、なるほどね！いきなりで喜ぶタイミング逃しちゃったからもう一回して？』
俺はやっと現状を理解した。
だったらちゃんとキスをして貰えると頭で理解してる状態でやってもらいたかった。
嬉しいことに変わりはないけど。
伊「あれは罪悪感でしただけ。もうしない。」
中『だったら予め言ってくれれば良いのに。伊野ちゃんの唇をちゃんと感じたかった…』
伊「…何言ってんだよ。早く行くよ。」
中『えー、残念…』
だってこんなの『伊野ちゃんは俺に甘い』って言葉だけでは片付けられないよ。こんなの反則すぎる。
俺はキスの余韻に浸りたかったが、伊野ちゃんは俺を置いて歩き出してしまったので、俺も後を追ってメイク室に向かった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 416人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆっけ(プロフ) - ひよりさん» コメントありがとうございます。今回も最後まで読んでいただき本当にありがとうございます。ひよりさんのことはもちろん忘れてません。次回も頑張って作品をアップ出来るよう頑張ります！ (2017年6月15日 23時) (
レス) id: 1a8d39f2fe (このIDを非表示/違反報告)
ひより(プロフ) - 完結、おめでとうございます！ (さぼてんの種です。覚えてらっしゃいますかね？) ゆといの、優しくてちょっとだけ切なくて、とても良い話だと思いました！！ 新作も、ぜひ読ませていただきます！！ (2017年6月15日 18時) (レス) id: d54ba546c9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっけ(プロフ) - れいらさん» 混乱しちゃいました。裕翔くんのセリフですね…。 (2017年5月24日 23時) (レス) id: 1a8d39f2fe (このIDを非表示/違反報告)
ゆっけ(プロフ) - れいらさん、コメントありがとうございます！伊野尾くんのセリフです。すぐ直します。教えてくださってありがとうございました！ (2017年5月24日 21時) (レス) id: 1a8d39f2fe (このIDを非表示/違反報告)
れいら(プロフ) - えっと、最後の伊野尾君のセリフが、本当は裕翔君のセリフなんじゃないかと、、、違ってたらごめんなさい！！ (2017年5月24日 21時) (レス) id: a0828b3426 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆっけ | 作成日時：2017年4月8日 1時
