初恋の相手の妹が教え子になった。弐【五条悟】 (ページ8)

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『私ほんとさいてーなんだよね。恵の気持ち知ってて、付き合うことを持ち掛けた。自分は他の人が好きだ、って言うのに。いくら、諦めたからって』

「あんたらいつの間に付き合ってたのよ」

『お盆の初日から。恵は好きって伝えてくれたけど、うんって返しちゃったの。...嘘でも、好きって言うべきだったのかな』

「その事に対して、伏黒は何も言わなかったんだろ？」

『言わなかった。だって...........恵は...私と違って優しいもん...っ』

Aの足の下から、雫が数滴落ちてくる。

『恵は優しいから、中学の時も...ずっと...傍に居てくれた.........私の心に空いた穴の原因も知らずに、不器用に寄り添ってくれた.....恵だけだったよ、そんな事してくれるのは』

そう語りながら、当時のことを思い出す。

"俺が傍にいる、だからもうそんな顔すんじゃねえぞ"

『(そう。恵が私を繋ぎ止めていたんじゃなくて、私が恵を留めていた.....)』

『高専に入って、先輩や2人と出会って...仲良くなって.........大切な存在が、初めて恵以外に出来た.......っ.....だからこそ、離れて欲しくなくて、自分の奥の奥のことをずっと話せなかった...』

『その事を恵に、仲間だからもっと心配掛けろって...でも、私っ...........皆のことを仲間って呼ぶ、自信が無かった.....結局っ...自分から離れてたんだ...それで、恵と喧嘩したの』

『(多分、あの時聞こえなかった言葉は...)』

「俺を見ろよ」