喧嘩、悪いのは分かってる ページ6
.
「A、体調はどうなんだ?」
『順調に治ってきてるよ』
「言わなくて良かったのか」
『あー虎杖と野薔薇ちゃんに?』
Aは2人に、暫く五感が正常に機能してないことを伝えていなかった。
『言う必要ないかなーって』
「必要とかじゃなくて、仲間だからそういうのは共有しとかねえと駄目だろ」
恵の言ってることは正しい。
『だって心配掛けたくないし...』
「心配掛けて当然だ、つってんだろ。仲間なんだから」
『でもっ!「A」』
「お前俺たちのこと、本気で信頼してるか」
「っ...!!!当たり前!!」
「じゃあなんで気遣う!!なんで距離を置きたがる!?」
決壊したのか、遂に怒鳴ってしまう恵。
『距離を置きたいなんて思ってない!!』
『(そんなこと思ったことない)』
「じゃあお前が信頼してる仲間って誰なんだ」
『私の仲間はっ...!!!』
『(あれ...私の仲間って...........)』
今(仲間)がパッと思い浮かんだ人物は、
『(.........誰がいる?)』
誰も思い浮かばなかった。
『(虎杖と野薔薇ちゃんは友達で、友達って仲間なの?分からん。恵は一緒にいてくれて、今は彼氏という存在で。先輩達も仲良くしてくれて、友達?だよね)』
『仲間って...なに.........』
「そうかよ。───…」
そう言い、Aに背を向けて去って行った。
その瞬間Aは気付いた。今の恵は彼氏としてでも人としてでもなく”彼の言う仲間”として接していたのではないか。
『分かんないんだもん.........』
『(最後の言葉、聞き取れなかった)』
178人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ルナ | 作成日時:2023年8月22日 2時