初恋の相手の妹が教え子になった。弐【五条悟】 (ページ42)

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未来へページ42

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『全部ぶっ壊す』

「っ、！」

「葉月さん！！！？.......何事っ！！？」

突然、地面に罅が入り地震のように揺れ動き始めた。揺れは徐々に加速していき、生えてあった木ですら根元から捥げ、建物は縦一直線に亀裂が入って崩れ落ちた。

屋敷は瓦礫の海となった。

『(ごめん。五条...Aを───…)』

"っ───…！！！！"

右目、割れちゃったな。瞼の中からドロドロと血が溢れて、気持ち悪いんだけど。

ん？

あれ、五条じゃん。なんでいるの？

私、声が...................。

「おいっ！！！.......っお前目が！！俺が分かるか！？なあ！！？」

うん、両目から血出てるけど片方は機能してるから見えてるよ。

「お前、前に言ったよな！！」

【右目にはA、左目には.......まあ五条を写して死にたいかな】

やめてよ、死ぬ前提なんだけど。泣くよ？

.......なんてね。

可愛くない私からの精一杯の告白、覚えててくれたんだ。

知ってる？右目は過去、左目は未来を意味するんだって。

だからそれを当てはめてみたんだけど、今の私は文字通り右目が潰れてるから.......

『貴方(悟)だけを見つめるね』

小人の囁きのように小さな小さな声で、呟いた。

「えっ、今なんて.......」

『悟、Aをおねがい。私が親代わりだから』

「は？.......おい！待てよ！！Aを置いていくのかよ！！？なあ！！」

時間は戻ることも無く、ただただ人を置き去りにして流れていく。

「俺を置いて逝くのかよ.......まだ伝えてねえんだぞ」

最後の最後に彼女が見たのは、過去(・・)だった。潰れても尚そうしたのは、何よりも愛しい妹の為だからだった。

未来のAの為。