瞼の裏は眩い ページ32
.
「おい.......起き.......」
「...いつ......な子......」
「ちげえよ!!!」
『.....あれ、いつの間に寝ちゃってたんだろ』
目を開ければ、同級生である3人に見下ろされていた。
「おはよう。随分と気持ちよさそうに眠っていたようだよ」
「お前の寝顔起きてる時の比になんねえくらいブサイクだな。しかもヨダレ垂らして」
『えっ、嘘』
上半身を勢い良く起こして、急いで口周りを拭う。
「それ嘘」
『えっ...!?もう
「チッ」
「私はいつまでもこいつの嘘に引っかかる理由が聞きてえよ」
「硝子は余計なこと言わなくていいんだよ」
「余計なことを言っているのは悟の方だろう」
『そうそう!夏油の言う通りだよ!』
2人で喧嘩すれば、大抵悟に非があるので傑が味方になってくれる。
「そうやってすぐ傑に同調して...何?傑が居ないと生きてけないの?」
今回は悟の様子が、どこかおかしかった。
『...アンタが間違ってるから夏油に怒られてんでしょ?』
「俺のどこが間違ってるって言うんだよ」
肩で笑いながら、全てを見下げる。
「止めろ、見苦しいぞ悟」
「お前は黙ってろ。」
『...あっそ。そう思いたいならそう思えば?もう行こ、硝子』
諦めて、放っておく事にした。
「何なんだよあのアマが「悟!」」
珍しく、はっきりと叫ぶ親友の声に驚き、口を閉ざした。
「もういい加減にしろ。何がそんなに気に食わないんだ、私に同調するからか?それは悟に非があるからだ。どうして、あの子に対してもっと素直になれないんだ」
「どーきゅーせーの癖に教師みたいな事言ってんじゃねえよ」
「...それは君が幼稚だからだよ」
尤もの理由を呟かれ、2人を追い掛けて行った。
【もっと素直になれないんだ】
「....んな事は俺が1番知りてえんだよ」
178人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ルナ | 作成日時:2023年8月22日 2時