昼更け ページ31
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「そうですか、それはおめでとうございます」
よくお世話になった七海へ、報告の電話をしている真っ最中。
『ありがとうございます....七海さんには任務同行して貰ったので、絶対お礼させてくださいね』
「楽しみにしていますよ、それではまた。」
「A、こっちおいで」
高そうな椅子に腰かけ、色気のある声でAを招く。
近付けば予想通り、腰を引かれ膝の上に座らされた。
「A、また大きくなった?」
『え、そうかな...筋肉はもっとつけたいんだけど、身長は.....』
不意に振り返って顔を見上げれば、一点に集中している視線。アイマスク越しだけど熱視線すぎてどこを見ているのかが分かりやすかった。
『っ...変態教師!』
「あっはは、ごめんって。ほらごめんねのチュー」
そう言って頬に唇を突き出してきた。
『いやああああ!!』
わざとなのか、本気なのかAにしては珍しいトーンの高い叫び声。
「...えそんな嫌がらなくても...........なんかごめんね」
『うん、二度としないで。』
『嘘嘘、ごめんて』
平気なふりをしているが、結構落ち込んでるようだったのでフォローを。
「そう言えば、ちゃんと言ってなかったね」
『なに?』
「昇級おめでとう、よく頑張ったね、偉いよ」
『ありがとう。私が十分強い事を認められたから、その強さに見合うようもっと頑張らないと』
「うん、僕の彼女として申し分ないね」
『特級様にそう仰って頂いて、光栄ですよ』
「って事で、おめでとうのチュー!」
『はいはい.....』
先程とは真逆に五条の顔に手を添え、自ら顔と顔を引っ付けた。
「ほんと、かわい」
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作者名:ルナ | 作成日時:2023年8月22日 2時