筈 ページ4
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姉妹校交流会が終わって、その日の夜のこと。
3ヶ月に1回程度、Aが考えることがある。
『(私ってなんで呪術師やってんだろ...)』
呪霊が見えるから、術式が使えるから。など、真希に怪訝な顔を向けられそうな理由しか浮かばない。
そして次は、
『(なんで呪霊って生まれるんだろう)』
人間の負の感情が集まって生まれている。呪術師なら周知の事実。
そして、最終的に
『(私ってなんで生きてるんだろう)』
分からない。これが何度も頭の中で繰り返される。
『いつか、分かる日が...教えてくれる人が.......訪れるのかな』
考えた後は、イメトレをしながら目の前にいない敵と戦うのがセットだった。ボサボサの髪で、パジャマ姿で。
『ここで...次は...そしたら...特級なら...っ今死んだな』
『(反応速度を上げろ、身体が追い付かなくてどうする)』
『その為の身体強化...なのか。』
『(なんか、違う気がする)』
『私の術式ってなんなんだ』
新たな悩みが、生まれた日だった。
『(あ...眠気がぁ.....やっぱり、この体じゃ───…)』
『何処、?なにこれっうわ!』
突然地面から手が伸びてきて、体を引っ張られた。
『(何ここ...地面の中?)』
『っんぶ!!』
突然、世界中から酸素が消え失せたかのように呼吸が出来なくなった。
『(息が出来ないっ...死ぬ死ぬ!誰か!...誰か.....たすけ)』
「───…っ!!」
『(だれ...だれの声なの)』
「Aっ...!!!!」
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作者名:ルナ | 作成日時:2023年8月22日 2時