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Aはシンプルに騙した。
術式を使うフリをして、実際は何もしてない。
それに引っかかった呪霊は、操術ではなく壊術に壊術を使い、姉を崩した。
『他人の術式ばっか使ってるから、混乱すんだよ。』
姉の姿を崩した呪霊は、再びAへと襲いかかってきた。
『さっさと帰らないと死ぬ未来しか見えんので、手早く終わらさせてもらう』
『領域展開 淘汰落魄楼』
見る見るうちに呪霊の動きは遅くなり、呪力も弱まっていく。
勝手に弱くなる敵に対してAは、紙を破るが如く体を真っ二つに引き裂いた。
選択した理由は、蹴るよりも破り裂く方が簡単で死にやすいから。
これが、現段階での如月Aの本気だ。それは、恵でも知らない、五条ですら可能性の一部を見抜いていただけだった。たった今祓った呪霊が引き出した、Aの最上級。
全くもって皮肉でしかない。
ポタポタと滴る雫を感覚でキャッチし、数秒後の未来を悟った。
目も見えない、耳も聞こえない状態で。色彩感覚?耳鳴り?論外。
視界は真っ黒でも真っ白でもない、何か分からない。
耳は元々機能していないかのように、飾りと化していた。
オマケに脳は働くことを諦めている。その為、今のAには感情も考えも存在していない。
だから、水滴をキャッチした感覚も存在していないのだがな。
悟った未来通り、地面に吸い込まれた。
首から額まで広がった罅は、時間を置くごとに割れ目となり止めどなく赤黒い液体を流し続けた。
いつの間にか帳は上がり、迎えに来てくれた補助監督によって大急ぎで高専へと運ばれて行った。
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ということで、Aちゃん視点の起首雷同でしたー!!
はい、まさかの最後の最後で領域展開するとは...!
ね?てんこ盛り盛りでしたでしょ?
領域展開の名前どうしようかと、夏休み3週間くらい悩みまして
難しい熟語メモしては消して、メモしては消しての繰り返しで
最終的に[淘汰落魄楼]ということで。
どう頑張っても厨二病チックになるので、
そこは御理解頂けると幸いです。
意味も結構深く考えたので、
気になった方は調べてみてください!
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作者名:ルナ | 作成日時:2023年8月22日 2時