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『さて、どうしよう』
壊せば勝ちの術式、ならば選択肢は1つのみ。
『(お姉ちゃんの姿或いは生得領域を破壊させ、本来の呪霊との戦いへと持ち込ませる。)』
『───…しか、ないですよね。やっぱり』
『身体強化 おらっ！！』
「効かないよA〜」
『(やっぱり威力も壊しますよね。...だから)』
『んっ...！』
「な.........っ！！」
『(スピード勝負だ)』
「っ.........ごはっ......！！！」
撹乱の為に、素早いなんて言葉じゃ足りない程の速さで駆け回り、一瞬にも満たない間にMAX状態の足で蹴り飛ばす。
それを6回ほど繰り返す。
「や、やるね...」
片足をついて、少し苦しそうに佇んでいる。
『(リスクが大きいから、そろそろ早く次の手を考えないと)』
そう、一瞬でも隙ができ触れられれば、呪力だけでなく足諸共破壊されて完全に終わってしまう。
「A。私が如月家の優秀な遺伝子を持ってるんだよ、Aはお姉ちゃんに譲らないと駄目だよ？」
『(そんなことまで知ってるのかこのゲスは。いや、私が知ってるからか)』
この呪霊は、相手の心の中等を覗いているのだろう。
「次はお姉ちゃんの番だよ！」
『(来た......)』
『削弱』
「効かないって！！」
先程と同じように、壊される。
『空虚』
空間が完成する直前に、壊された。
そして、突進してきてAの首を鷲掴み壁へと押し付ける。やがてAの首に罅が広がった。
『あ゛ぁああああああ゛あ゛あ゛！！！』
この世の者とは思えぬ程の雄叫びを上げ、大量の血をダラダラと流し続ける。
『.......削弱...』
「効かないって！！壊術───…」
何回目か、自分の体へと壊術を使ってAの呪力を壊す。
『ばぁーか』
「っ........！！！」
『呪霊さん、聞こえるもの見えるものが真実とは限らねえぞ』
呪霊は、人間の心臓を中心にして体が崩れ始める。
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作者名：ルナ | 作成日時：2023年8月22日 2時
