静けさ、前触れ ページ17
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『んー...ああ疲れた』
「お疲れ様です、それでは私が高専までお送りしますので」
任務が終了し、先程と同じように伊地知が迎えに来ていた。
『伊地知さんもお疲れ様です』
「ありがとうっ...ございますっ...」
胸を抑え、噛み締めながらお礼を言う。
『(あはは...すみません、うちの彼が。ほんとに。)』
1年ズと、棘以外には明かしていないこの関係。
しかしすっかり彼女という立場にも慣れ、Aの人生はそれなりに充実していた。
『(ちょっとだけ寝ちゃおっかな)』
そんな事を考えていると、車内に着信音が鳴り響く。
『(...悟くんだ...!)』
この画面1つで、この上ないほどの幸福感に満たされたA。
咳払いを1つし、電話を繋いだ。
『も、もしもし』
「任務お疲れ様〜!よく頑張ったね!偉い偉い!疲れてない?」
『うん!そんなに大変じゃなかったから大丈夫だよ』
『(あ〜癒される〜)』
少し他愛のない会話をしてから、話を切り替える五条。
『会いたい人?』
「そう。どうする?」
どうやら、Aに会いたいと言う人が高専に来ているようだった。
『んー...会ってみようかな』
『(正直疲れなんて吹っ飛んだし。お陰様で)』
「分かった。でも無理はしないで、僕も一緒するから」
『うん、じゃあ後で』
『(会いたい人.........十中八九、術師関係者なのは間違いないだろうけど、心当たりが無さすぎるな)』
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作者名:ルナ | 作成日時:2023年8月22日 2時