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『...え、嘘でしょ』
割と長く沈黙の時間を得て、ドン引くA。
「ほんとほんと」
『え、結構無茶と無理したんだけど』
「あっはは〜自覚あったんだね。」
『いや、まあそれはね。』
「それは僕ちょっと許せないな〜。信頼は勿論してたけど、心配もしたんだよ?」
その言葉を聞いたAは、仲間の顔が思い浮かんだ。そして、一人一人霞のように消えていった。
『...ごめんなさい』
「うん。ちゃんと謝れて偉いね」
優しくAの頭を撫でると、
「そんな正直に謝る良い子ちゃんにはこれをプレゼントしよ〜う!!」
急にハイテンションになった。
「ちょっと、そんな顔しないでよ。泣くよ」
本当に幼児のビジュアルなのかと、疑いそうになるくらいの、なんとも言えない顔をお見舞いしてやったA。
「はい、これ」
『えっスマホじゃん。私の記憶が正しければ、破壊されてたよ』
「そうそう。だから最新機種のを買ってきたよ」
『はっ?ちょっとそれは......おいくらでした?』
「そう言うの良いから」
『いやいやいやスマホって高いんですよ?そんなの親でもない人から貰うならお金払わないと』
「いや、だから。僕親代わりだって言ったじゃん」
『........ごめんなさい、記憶にないですね』
「あ、.....マジの方?」
『マジの方です。何時そんなこと言ってたんです?』
「ま、良いから。お金には困ってないし、全然」
『え〜じゃ何かで返させてよ〜』
今度は、正しく幼子のようにゴネ始めた。
割とすんなり引き下がりやがったA。正直、お金が出て行かなくてホッとしてるのだろう。
「じゃあ...」
『っ...』
急に抱きしめられた。
「うん。ちゃんと生きてるね」
『当たり前...』
「この姿なら全身包み込めるね」
『...元のサイズでも包み込まれるでしょ』
「じゃあ、元に戻ったらもう1回やってみる?」
『...遠慮する。』
「じゃ、勝手にやっちゃうね。これ独り言だから気にしないで」
『アイス食べた〜い!』
「それじゃあ買いに行こう!」
『良いの?』
「良いよ。好きなだけ食べな」
『じゃあこっちは遠慮しない』
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作者名:ルナ | 作成日時:2023年8月22日 2時