寝た子は縮む ページ1
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『ん.........んん』
目を開けると誰かに抱えられていた。
「よく頑張ったね、さすがは僕のせい...いや、想い人だ。偉いよ、凄く偉い」
その人は、これでもかと言うほどAのことを褒めちぎった。
「頑張った偉い子にはご褒美をあげないとね。だから、次起きた時はアイスを好きなだけ奢るよ。」
優しい声色なのは、その人が優しくしているのか、それとも自然と優しくなっているのか。
ただ、疲れ果てたAの脳にはとても心地好く響いていた。
「だからA。その時まで、ゆっくり休みな」
『.......うん..........』
『(........やっぱり...すき)』
そこでAの意識はまた途切れた。
「あ、起きた?おはよう」
体を起こすと、目の前にはベットに身を乗り出した五条が居た。
『...おはようございます。あの、えっと...多分私、所々記憶曖昧だと思います。』
起きて、開口二番目がそれか?と聞きたくなるような言葉を漏らすA。
「記憶の一部欠けてるってこと?」
『うん。脳味噌の多くを使う為不必要な情報、つまり一部の記憶を消したんだぁ。でも数日で戻ると思う』
「そっかそっかぁ。体は小さくなるし、記憶は無くなるし、結構大変だね〜あ、そうそう!」
『ん?』
「小さくなった事ともう一つ。皆に言ったら驚かれたことがあってね!」
『え、なになに?』
「Aね、無傷だったよ」
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作者名:ルナ | 作成日時:2023年8月22日 2時