推理小説の中 ページ49
...
この小説世界の仕組みが少し判って来た。
登場人物の千人、住民と呼ぶべきか。この街は毎日、夜の七時から全住民を集め推理ゲエムをさせる。出題者は不明。
違和感がある。町にしては人口が少な過ぎる。実は推理ゲエムとは名ばかり、本当に殺人を起こしゲエムとして楽しんでいる。
住民が殺され続け朝五時になるとゲエムは強制終了。
毎晩、犯人も被害者も人数は不明。
そして未だ、誰一人犯人を突き止められていない。
乱歩「今日の犯人は君だ。そして昨日の犯人は、此処に倒れて既に亡くなっているご婦人。一昨日は君だね?そして一昨昨日は____。
そんな感じで殺人鬼は全員僕が推理した。
さて登場人物の皆さん、此処で僕とはお別れだ、又何処かで逢える事を信じてるよ、素敵帽子君。」
まあこの台詞は凡て乱歩の心の声な訳で、中也は犯人を誰一人として知っていない。
中也「推理だと?俺がんな事する訳ねえだろ。
全員俺がぶっ殺す。」
今の中也は気が立っている。何時もなら少し躊躇っていただろう。まあ結局この決断になっただろうが。
と云うのが二日前の話。
未だ小説世界に閉じ込められていた中也。
余談だが、疾の昔に共食いは終了している。
流石にぶっ殺してはいないが、二度と殺人が起きないように順調に一人一人はっ倒し気絶させて来て。
中也「(アイツ...俺が居なくてもちゃんと朝起きられてるのか?腹出して寝てねえだろうな...。)」
迷惑も掛けていたが、お世話もしっかりやっていた事に自分で気付いた。そしてそれが五分五分だった為、一瞬の気の迷いだと、邪な考えは無かった事にした素敵帽子君だった。
中也「後何人だ」
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作者名:ルナ | 作成日時:2023年5月14日 21時