番外編、発熱。 ページ46
...
『ハックション!!!...はぁ』
天気の良い昼に豪快な雷が轟いたかのような、正に青天の霹靂。
中也「風邪か?」
『判んない...』
中也「手前が熱出すと面倒臭え事になりやがるから、気ィ付けろよ?」
『判ってるよ!』
翌日。
中也「な〜にが、判ってるよ!.....だよ、莫迦野郎が。」
参った様子で布団を掛け直す。
所謂、伏線回収と云う奴だろうか。中也はAに触れる事無く、一目見て発熱していると判った。
中也「だから面倒臭ぇんだよ.........休みで良かったぜ」
『暑い........はぁっ...』
Aの衣服が跡形もなく溶けていたから。
Aは熱に浮かされると異能が暴走して、身に付けている衣服を凡て溶かしてしまう。本人のは暑いと思っているだけで。
不幸中の幸いと云うべきか、溶けるのは衣服だけで布団や多織留は無事。
『んんん.....暑い.....暑い......』
熱を出したら取り敢えずは汗をかくしかない。普段のAなら一生無理だが、異能は暴走している。そうなれば簡単だ。
何とか体温を無理矢理上げればいい。
中也「...多織留取ってくるわ」
中也「あ、コラ!ちゃんと布団被れって言ってんだろ!」
キツい言葉とは裏腹に、優しい手つきで体に多織留を巻き付けまた布団を掛け直す。
Aが熱を出す時は決まって高熱。だから意識は殆ど無い。なのに中也は何時もAに話し掛ける。
中也「暑いのは判るが、早く治さねぇとだろ」
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作者名:ルナ | 作成日時:2023年5月14日 21時