汚れつちまつたシズク【中原中也】【文スト】 (ページ45)

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夏目の諭しを受けた福沢と森。

『大丈夫ですか？福沢さん』

其処へ突然、何処からとも無くAが現れる。

福沢「貴君は...」

『出血が酷いですから、今直ぐに止血しますよ！』

流血している福沢の血を直ぐ舐め取り、止血し、綺麗な血は体内へと上手く戻していく。

森「A君じゃあないか...！君は行方不明だと中也君から聞いて居たが...真逆。」

『はい、夏目さんに扶けて頂きました。...これで出血死は免れられますから。森さん、御怪我は？』

森「私は問題無いよ、それに君に血を採られたら何時か暗殺されそうだし。」

服の埃を払って、嫌味ったらしく呟く森。

『何仰ってるんですか...』

『(私は人を殺さねェよ、過去の事知ってる癖にこの人は.....。)』

怪訝な目をして森を見詰める。

福沢「済まない扶った。探偵社員は...」

『いえいえ！』

『全員無事だと聞いています。尤も貴方様の部下なら、なんて事ないんじゃないですか？』

福沢「...そうか。」

森「相変わらず、君は物怖じしない性格だ。其の人は敵組織の長だよ？」

『森さん、頭でも打ちました？私が恐れている人は、この世でたった一人しかいないの知ってますよね？』

そもそも敵組織とか私関係ないし。と零す。

森「嗚呼、そうだったね。

君が恐れる人とは、生きていても死んでいても、君の心を揺さぶりしがみ付き、そして当の本人はそれに気付いていない、頼もしい私の部下だけだったね。」