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...
『(弔いくらい...するか)』
此の侭放って置くには後味が悪すぎると感じたAは少量の花束を購い、事故現場へと向かった。
『呆気無い...悪夢の原因の一つがこんな処で死ぬなんて、呆気無さ過ぎる。』
花束を供え、手を併せる。
『...ん?』
誰かに頭を触られた気がした、だから振り返った。誰も居ない、すると跫音が聞こえた。
『誰...?』
中也「A?」
『中也?何で此処に「お前其れ...」え...?』
中也「A...お前
泣いてんじゃねえか.........。」
『...へ.........』
間抜けな声だった。莫迦な子のように間抜けだった。だって有り得ない事だから。でも一粒の雫が、地面に零れる。雨でも降らない限り有り得ない。
空は晴れていた。
試しに自分の顔を触ってみる。触ったのを皮切りにどんどん溢れてくるのが判った。
何時の間にか中也はAの傍に居て、そしてAを抱き締めていた。
『孤児院の...院長が死んだの.......嬉しいと思った、解放されると思った.........なのに...何で.........』
『何...............で.............』
拙くも中也に伝える。
そして中也は静かに帽子をAに被せる。泣けよ、と云うかのように。
『っ.........ズッ...........っ...っ............う゛う゛ぅ゛.........』
人生で二度目に泣いた日。
太宰「君には泣く権利があるよ。
___人間失格。」
-------------キリトリセン--------------
次の番外編終わったら共食いスタートしまーす!
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作者名:ルナ | 作成日時:2023年5月14日 21時