はーと5 ページ10
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『ねえー菊池』
たまに不定期で、苗字で呼びたくなる時期が来るらしい。
「はいっはーい」
それは2人だけの何かのサインのようで。
『ふぅ....あ〜気持ちいい〜』
「裏返ってるよ」
若干笑いながら、あまり意味のない指摘をする。
「肩揉んであげよっか」
『頼む』
「頼まれましたっ」
Aが風磨のことを苗字で呼ぶ時、それは一緒にお風呂に入りたいというサインなのだ。恥ずかしがり屋なAの為のサイン。
「どうですか〜?お客さん」
『さいこーさいこー』
「それは良かったで〜す」
少し考えたあと、Aは肩に置かれていた両手を体の前に持っていき、手の甲の上から自分の手を重ね指を握った。
「A...?」
Aの行動に動揺を隠せない。
Aの項を艶やかに雫が伝い、湯船に落ちていった。
「どうしたの」
肩に顎を乗せ、Aの顔を覗くようにして問いかける。
その
『逆上せた、出る』
そう言って立ち上がり、風呂場を後にした。突然すぎて、目が点になる。
しばらくして、ドライヤーの風の音が聞こえ始めた。
「(...俺も出るか)」
1人取り残された風磨だったが、ようやく立ち上がり風呂場を出た。
目の前にいるAは、ただ一点、鏡の中にいる自分を見つめていた。
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あんゆ(プロフ) - ルナさん» ありがとうございます☺️ (2月10日 14時) (レス) id: aac5c9b4f6 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - あんゆさん» 逆に良いんですか!?よろしくお願い致します!!! (2月10日 14時) (レス) id: c7332406b2 (このIDを非表示/違反報告)
あんゆ(プロフ) - 初めまして!この作品凄く求めてた作品すぎて大好きです!!もし良かったら自分の作品で紹介してもよろしいでしょうか? (2月10日 13時) (レス) id: aac5c9b4f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ルナ | 作成日時:2024年2月10日 0時