余命5ヶ月の生徒～卒業できなかった君～ (ページ31)

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二宮side

いよいよ最終種目のリレーになった。

全員の間に緊張感がただよう。

招集門からホイッスルの音と共に俺達は入場し

た。

観客席からの拍手と歓声が聞こえる。

そして、1走がスタート位置に着いた。

先｢位置について、よーいっ！｣パーンッ

いよいよ始まった。一走者が勢いよく飛び出し

た。

頑張れ、という声がどこからも聞こえる。

バトンは次から次へと繋がれ、次は相葉くんと

翔くんの対決だ。バトンはほぼ同時に行き渡

り、同じスピードで並んで走っている。

あ！相葉くんめっちゃ豪快にコケた。笑

大丈夫かな？心配しなきゃいけない場面だけど

笑いが漏れる。

でも相葉くんのおかげでちょっと緊張が解けた

かな。

そんなことを思って応援していると、ついに

俺の番になった。

俺はスタート位置につき、スタンバイする。

よし、行くぞ！

タッタッタッ

俺は、2位でバトンを受け取り、全力で走った。

前の人を残り30ｍのところでギリギリ抜いた。

よし、これで潤くんに1位でバトンを渡せる。

残り5m...4m...3m、2m...

｢潤くん！ファイト！｣

バトンは、潤くんの手に渡った。

潤くんはどんどん加速して、2位との差を広げ

る。残りは半分。勝てる。この調子でゴールし

てくれれば...

会場全員が青組の優勝だ、と確信したその時だ

った。

残り20ｍのところで潤くんの体が傾いたかと

思えば、そのまま地面に倒れた。

｢潤くん！｣

先生が駆けつけて声をかけるも、潤くんの反応

はない。

俺は潤くんが運ばれていく様子をただ見ること

しかできなかった。