大好きになってしまった【半間修二】

Part７３　ドライヤー ページ26

「んじゃ次入ってこいよ」

『あ、うん』






そう言うとゴロンとソファに寝転がり勝手にテレビをつけて見始めた半間くん。



やっぱりコイツ…


自分の家だと勘違いしてない？




そう思って少しイラつきながらもお風呂に入る準備をした。


.


.


.


少し長めにシャワーをし、部屋着に着替えてからリビングに戻ると、ソファで寝転がっていたはずの半間くんはベランダの境目の所に座り込んでタバコを吸っていた。







『…また吸ってる』

「ん〜？Aちゃんも吸ってみっかｧ〜？」

『絶対吸わない』

「ホント真面目ちゃんだなｧ〜♡」







ケラケラと笑いながらタバコを咥え直す半間くん。



タバコなんて大嫌い。


でも、タバコを吸ってる彼はカッコいいなと思う。





…めちゃくちゃコイツに絆されてるや。








「…ドライヤー持ってこいよ」

『ドライヤー？』







半間くん、髪の毛乾いてるじゃん。



いつもセットして上がっている前髪は垂れているけど、またセットし直すのかな…？


前髪ある半間くんは何だか大人っぽいし色っぽくて好きなのにな…



そんなことを思いながら彼の言う通りに片付けてあったドライヤーを持ってきた。








「そこ座れよ」

『え？』

「乾かしてやっから♡」








そう言って強引に座らされると、後ろから温かい風と大きな彼の手が私の髪の毛に触れた。



まさか髪を乾かしてもらうなんて思ってもいなかったので、緊張して身体が硬直してしまう。








「ひゃは♡今日は大人しいじゃん、おもしれー」

『だ、だって…』








されるがままの私を見て、面白そうに笑いながらも優しく髪の毛を乾かしてくれる半間くん。



雑そうに見えるのに彼の手つきがすごく心地よくて、いつのまにか緊張もほぐれて頭がふわふわしてきた。





気持ちいい…


このまま寝ちゃいそ…






そう思ったのを最後に私は意識を手放した。

Part７４　無防備→←Part７２　パンツ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す