大嫌いだったはずの彼【半間修二】

Part３６　タバコの香り ページ37

あの後＿＿＿

バイト先まで半間くんに送ってもらい、店長に明日は急用ができたので休ませてもらうように頼んだ。







『本当にすみません』

「いいよ〜、Aさんのおかけでいつも助かってるからね〜」







良いバイト先で本当によかったぁ…




それにしても


「俺が迎えに行けねー日はバイト入れんな」


…なんて、、、





自分勝手な奴！



何で私がアイツに合わせなきゃいけないのよ。





…って思いながらも明日休ませてもらったんだけど。



こういう時に断れないところとか、結局私は彼のペースに全部飲まれているんだなと思う。


ムカつくけど。


.


.


.


「おつかれさん♡」






バイトを終えるといつものようにバイクに跨りながら私を待ってくれている半間くん。



私を見るなり嬉しそうにニヤッとするこの表情が嫌いになれない。







「明日休むって言ったかｧ？」

『言ったけど…こんな急に休むなんて次は絶対無いからね』

「さすがAちゃん♡好きだぜ〜」

『っっ…！？ちょっとそんなに引っ付かないでよ！』






ぎゅーっと彼の腕の中に閉じ込められ、少しだけ抵抗する。



もう、この男は！



まだ付き合ってもないのに…







…って、“まだ”って何よ！


そんなのもうすぐ付き合うみたいじゃん！






「ひゃは♡赤くなってんの〜」

『ち、違うしっ』

「あー早く俺のモンになんねぇーかなｧ」

『〜っ』






そう言って、私の頭を胸に押し付けるようにして抱きしめてくる半間くんに抵抗するのをやめた。





…彼からはほんのりタバコの香りがした。

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