大嫌いだったはずの彼【半間修二】

Part２０　待ってた ページ21

『な、何して………ってそんなことより早く傘に入って！！』






急いで彼に駆け寄り、慌てて自身の傘に半間くんを入れた。


…って言っても、もう既に彼はびしょ濡れで、傘をさす意味もほとんどない状態。







『こんな土砂降りの中何して…』

「んー？Aちゃん待ってた♡」







そう言ってニヤリと笑う半間くんを見て、心臓がドキリと跳ねる。




…ほら、またそうやって私の心を揺さぶる。



どうせ私のことなんかただの暇つぶしのくせに。







『…待っててなんて頼んでないんだけど』

「あは♡やっぱ冷てーなｧ」






フイッと彼から目を逸らすと、再び面白そうに笑った半間くん。




…彼のことなんか大嫌いで、もう顔も見たくない。



そう思ってたのに、さっきまでの悲しい気持ちが一瞬で消えたみたいだった。




“待っててなんて頼んでない”………けど



待っててくれて嬉しいって、、、



少し思ってしまっている。







「つーか、せっかく今日はお前に会いに学校行ったのによｫ」

『っ！…し、知らないし！あの女の子と遊んだんじゃないの？』







私に会いに来たと言ってくれて一瞬嬉しくなるが、さっきの出来事を思い出して嫌な気分になる。




…あの後は、あの子と２人で遊んだりしてたんだろうか。


そんなことを考えながら彼の返答を待つ………が、中々彼からの返答がない。




…ってことは本当にあの子と？







「……なァ」

『…なに』

「Aちゃん、ヤキモチ妬いてんだろｫ？♡」

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