大嫌いだったはずの彼【半間修二】

Part１０　強引 ページ11

(ガラッ)

「よぉ、Aちゃん♡」





そう言ってヘラヘラしながら教室に入ってきた半間くん。



時刻は既にお昼休みの時間だ。




…この人に遅刻という概念はないのか。






『半間くん遅刻だよ』

「ん？俺いなくて寂しかった？♡」

『そう言うことを言ってるんじゃない』






本当、この人とは会話にならない。



まあ、少し慣れてきたけども…


いや、これは慣れたらダメなヤツだ。







『もう来ないと思ってた』

「んぁ？昨日“また明日”って言っただろ？」






そう言うところはちゃんと覚えてるんだ。



適当に言ってるだけってわけじゃないのね。







『…だってもうお昼だし』

「昨日夜通し遊んでたからなｧ……って、やっぱり寂しかったんだろ？Aちゃん♡」

『っっ！！はあ？！違うし！！』






再びそんなことを言われ、少し返答がうわずってしまう。


寂しいとかそんなことあるわけない。


第一、私は半間くんのような不良が大嫌いだ。



昨日は、半間くんがバイクに乗せてくれたり、家まで送り届けてくれたりしたから、ちょっと興味を持ってしまっただけで……






「照れんなよ♡」

『だから違うって…！』






ニヤニヤしながら私を見つめる半間くんに反論しようとするが、彼はもう聞く耳を持っていないみたいだ。






「それよりAちゃん、今日もバイト？」

『え？今日はないけど…』

「んじゃ今日こそデート行こーぜ♡」

『は…？』

「じゃ、また放課後来るわ」

『ちょっと…！！』






そう言って半間くんは教室を出て行ってしまった。



なんて強引な人なんだ…！



…ってそれよりも、、、



え……


なに？

デート？

私が？


不良の中でも有名なあの半間修二と！？？

Part１１　俺の→←Part９　人間の性

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す