episode0−2 ページ49
「ああ、そういう事ですか。
貴女もそうなんですね？」
「ふふ。今のAは、普通に優しい子だ。
加えれば、只の優しい子なんだよ。
どう、協力してくれる気になった？」
「......」
「無言は肯定と受け取るよ。
具体的には、君は『知り合いの死』を
Aに見せてくれればいい。
それでAが壊れそうだったら、
私が異能空間に彼女の精神を転送して、
何とかするから」
「......いいでしょう。
『知り合い』に指定はありますか？」
「いいや、特にはないよ。
君がたてた作戦でいい。
......ああでも、衝撃的な方がいいな。
まあそれでも？このまま上手くいけば、
此の作戦を使う必要はないね......
上手くいけば、だけど」
そう云うと、おもむろに『未成年』は
歩き始めた。
倒れた机の近くに転がっていた、
ナイフの刺さったリンゴを拾う。
さくっ、と小気味良い音をたて
ナイフを抜くと、
.
自らの結晶を叩き割った。
途端に、風に吹かれた様に『未成年』の姿が
消える。
異能の持ち主であるAの元に
戻ったのだろう。
「云いたい事だけ云って帰りましたね......
そういう処はAにそっくりです」
そう云うと、フョードルは意識を
切り替える。
『未成年』の云う通り、世界が死の果実と
なれば、あの作戦を使う必要はないのだから。
霧が赤く染まる。本番は、これからだ。
.
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「DEAD APLLEの作戦では無理でしたか......
仕方がありません。
そうしたら先ずはー......マフィアですかね」
かつりとブーツの音を響かせ乍ら
フョードルは路地裏を歩く。
携帯端末が震える。相手は勿論Aだ。
『ちょおっと！
失敗したってどういう事ですか！
あのチップ作るの大変だったんですよ......？』
「あー、すみません。
今度マカロン持っていくので許して下さい。
ではまた」
『あ、ちょっ』
強引に通信を切る。
すると、数人の足音と、ガチャガチャとした
金属音がしたと思えば、フョードルの
回りが複数人に囲まれる。
囲んでいる人は自動小銃を所持し、
其の銃口は、ぴたりとフョードルを
捉えている。
「おや。......僕に、何の用ですかね？」
フョードルを囲んでいる人の少し後ろに
いる人が答える。
「......俺は誘拐屋だ。
大人しくしていれば、殺しはしない」
フョードルがAを殺して、マフィアの
異能者リストを手に入れるまで、後数日。
ラッキー文スト登場人物
フョードル·ドストエフスキー
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病乃 - この作品読者を殺そうとしてますよね？違うとは言わせません← お話を読みながら「ううん？」となりながら読んでたんですけど三つのまとまりになっていて、しかも細かいところまで作り込まれているとは…本当に神作です…もうミオさんに弟子入りしたいです() (1月4日 17時) (
レス) @page50 id: 30fcc31024 (このIDを非表示/違反報告)
ミオ(プロフ) - riiaさん» お褒めの言葉、ありがとうございます！とても嬉しいです！ドス君推し増えてほしいですね〜！ (2022年8月23日 19時) (レス) id: 53eec8317a (このIDを非表示/違反報告)
riia - 好きです｡(ドスくん推しの私からしてみれば最高で仕方がないです！) (2022年8月15日 11時) (レス) @page46 id: 9a3ac744f2 (このIDを非表示/違反報告)
ミオ(プロフ) - 黒猫さん» うわわ……たくさんお褒めの言葉を頂けて嬉しいです！ありがとうございます！ (2022年5月19日 20時) (レス) id: c2e405e64a (このIDを非表示/違反報告)
黒猫 - えぇぇ...まって、神小説見つけたんだが。ドス君推しの私としてはもう昇天するくらい嬉しい。しかもちゃんと作り込まれてる。作者様天才じゃん。脳味噌わけt(((殴 (2022年5月18日 15時) (レス) @page50 id: 5343ec8b93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミオ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/userid10262/
作成日時：2019年11月9日 18時
