episode20 ページ20
『......あぁ素晴らしい
『
スピーカーから聞こえてくる声を、
何処か他人事のように聞いているA。
フョードルが話す声、顔もAから
見れば白々しいにも程がある。
神の目の事だって知っている癖に、
わざわざ驚いた演技迄混ぜてきた。
こんなのは茶番でしかない。きっと、
フョードルもそう思っているだろう。
それに______
「神の目だけじゃあないんですよね〜
監視映像を統合出来るシステムは」
頬杖をつき乍ら、Aは呟く。
ディスプレイには太宰、フィッツジェラルドと
話すフョードルが映り、スピーカーからは
彼等の声が聞こえる。
それは、喫茶処にある監視カメラの
映像だった。
Aは、
数年前に既に完成させていた。
神の目は監視映像を統合出来るだけだ。
しかし、Aはそれに
加える事で、更に驚異的なシステムを
完成させた。
それは、外部回線に繋がっているカメラの
映像も統合出来ること。
つまり監視カメラだけでなく、携帯や
パソコンからも映像を入手出来るのだ。
それにより、Aのシステムは、
より早く正確な情報を手に入れる事が出来る。
最早ヨコハマの外部回線は、Aの
支配下におかれていた。
「ドス君捕まってるね！私の出番だね！！」
「また急に現れましたね......耳がきーん
ってしてるんですが」
(何時も通り)大声で話し乍らAの
ディスプレイを覗いてきたのはゴーゴリだ。
前にAの部屋を訪れた時フョードルに
云われた事をゴーゴリは恐らく覚えていない。
「まあ、探偵社とマフィアはフェージャを
捕まえた事で一区切りついた、と思う
でしょうね。
其処に漬け込むのはフェージャらしいですけど」
「本当にドス君は性格が悪いよね！！
......あ、今一寸寒気がした」
「暖房入れますか？
下手な事を云うのはお勧めしませんよ」
淡々とAは告げる。
それがいっそうゴーゴリには恐ろしく感じた。
「次どう動くかはもう
聞いているんですよね？」
「......ああ！聞いているよ！
その準備をしなくては！じゃあね、
Aちゃん！！」
せっかちな人だ。
そういえば、今日はクイズを出してこなかった。
珍しいな、とAは思う。
その違和感を、もっと気にしていれば。
部屋を去る時のゴーゴリの
悲しそうな顔をAが見ていれば。
Aの知らない処で運命は廻る。
それが牙を剥くまで、あともう少し。
ラッキー文スト登場人物
フョードル·ドストエフスキー
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病乃 - この作品読者を殺そうとしてますよね？違うとは言わせません← お話を読みながら「ううん？」となりながら読んでたんですけど三つのまとまりになっていて、しかも細かいところまで作り込まれているとは…本当に神作です…もうミオさんに弟子入りしたいです() (1月4日 17時) (
レス) @page50 id: 30fcc31024 (このIDを非表示/違反報告)
ミオ(プロフ) - riiaさん» お褒めの言葉、ありがとうございます！とても嬉しいです！ドス君推し増えてほしいですね〜！ (2022年8月23日 19時) (レス) id: 53eec8317a (このIDを非表示/違反報告)
riia - 好きです｡(ドスくん推しの私からしてみれば最高で仕方がないです！) (2022年8月15日 11時) (レス) @page46 id: 9a3ac744f2 (このIDを非表示/違反報告)
ミオ(プロフ) - 黒猫さん» うわわ……たくさんお褒めの言葉を頂けて嬉しいです！ありがとうございます！ (2022年5月19日 20時) (レス) id: c2e405e64a (このIDを非表示/違反報告)
黒猫 - えぇぇ...まって、神小説見つけたんだが。ドス君推しの私としてはもう昇天するくらい嬉しい。しかもちゃんと作り込まれてる。作者様天才じゃん。脳味噌わけt(((殴 (2022年5月18日 15時) (レス) @page50 id: 5343ec8b93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミオ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/userid10262/
作成日時：2019年11月9日 18時
