熱帯魚 ページ10
友人からの即興三題噺
お題→かまぼこ、水、スリッパ
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小さい頃、魚を飼っていたことがある
・・・もっとも、それは数時間だけだったが
「わーい!お魚さーん!!」
薄暗い店内の中で一カ所だけ、一際明るい熱帯魚コーナーは、中に居る光った魚と相まって
幻想的な風景を醸し出していた
「どれでも好きな物を選んで良いわよ」
「ちゃんと育てられるならな」
という条件付きで誕生日に魚を飼って貰う約束を取り付けていた
「うーんと、えーっと」
きらきらと光るラインが魅力的な魚が見渡す限り広がる中、私は必死に愛せるような魚を探した
赤、青、黄色、あれでもないこれでもないと
そして私は小さくて青白く光る魚を選んだ
「これにする!」
小魚の入ったポリ袋を持ち、ご機嫌で家路についた
「・・・・・・トイレ行きたい」
車の中、ポツリと呟いた一言で、悲劇は始まったのかもしれない
家まで持たないと踏んだ両親は急遽付近のコンビニへ車を走らせた
コンビニに着いた頃には限界寸前で、手にポリ袋を提げたことさえ忘れて駆け込んだ
事を済ませた後、トイレのスリッパを脱いだときに気付いてしまった
”ポリ袋から水と魚が消えたことに”
娘の咆吼が聞こえ、様子を確かめに来た両親は、すぐさま事の原因を把握したらしい
その後の私の記憶は朧気だった
だが、その後・・・・・・後日談の話は憶えている
かまぼこは魚のすり身で出来ているという
何の変哲も無いCMでどうにも・・・・・・もう一度泣き叫んだ事は
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作者名:4696パーカー | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/102620014/
作成日時:2015年3月7日 8時