【お題型だったり】リハビリテーション『短編集』 (ページ31)

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死ぬ気が無い死にたがりページ31

死を恐れているわけでは無い。死の恐怖を曖昧にしか捉えられないだけなのだ
日々死のうとは思っている。そこら辺の川に落ちれば人生までドボンだ

何故死のうと思っているのか。考えることが嫌だからだ

世に出れば叱られる。勉強はしたくない。自分の楽しいことだけやって生きる事は出来ない
働きたくない、将来の夢は無い。ふむ、面倒くさい

ではこんな生産性の無い人間は居ない方が世のためだと思うが、あっさりと死ぬにはまだまだ
抵抗がある。矛盾している

では死んでみるとしよう。仮定だ、仮定

川に落ちよう、水が気管に入り込む、徐々に息が出来なくなってくる。そのうち死ぬ
私は川に流される、ああ、ダメだここで問題が生じた

うちは浄水場に近い所にある
そのドボンする川も近い、つまり、死体入りの水道水が出来上がってしまう
人様に迷惑がかかる、死体処理代がかかってしまう、風評被害で両親に迷惑がかかるかもしれない

ダメだダメだ、やはり川は無しにしよう
海だ、そうだ海。友人も死ぬなら海が良いとか言ってた。引き上げられないし

･･････こうして考えてみると、海はとても汚れているなあ

まず家から海までは遠い。足が付かないためには、ふむ、自転車で海まで行くか
友人はチャリは嫌だとほざいているがまあそこは致し方あるまい

飛び出ているところから海へ着衣水泳
真夜中が良いか、自転車を漕いでいたら自然に一晩経っているか

･･････待てよ、足が付かないと言うことは、行方不明者になってしまうではないか

行方不明者捜索というのは金が要る。人件費、自腹、･･････
あるのは死体しかない、そこの海は、風評被害で潰れるかもしれない

痛いのは駄目だ、これで傷が付く系は消えるので過半数のアイデアは消える
汚いのは嫌だ、身長を伸ばす方法(隠喩)は使えない
毒は苦しい。高所から落下は下手をすれば死んだように生きるハメになる。

･･････やはり、病死か老衰しか無いのだろうか
自然の摂理に身を任せ生きるしか無いのか、その時まで

とりあえず私は目の前のスーサイドノートをいつもの所へ隠した
今は目の前の課題を終わらせなければ