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また、蒸し返す、ある物書きの話 ページ28

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私の物は、どこにも存在していない

まあ、いつも通りの事だ

多くのユーザーが日々切磋琢磨しているだけあって、ランキングには砂粒の中から選ばれた物しか居ない・・・・・・というわけでもない。どうしてこんな物まで? というのも、まあ、ある

要は趣向の問題なのだ。統計なのだ。大衆向けだけが生き残り、少数派は当然沈むのだ
それがこの世の暗黙のルールだ。いた仕方あるまい

だが、それでも私は、あそこに名を残したいと思っていた

奴らが好きな物を書いているのならば、私も好きな物を書いていても載れるだろう。始めはそう思っていたが、現実はいつだって違う

閲覧数は、いつも閑古鳥が寄ってくる。お気に入りは、知り合いだけ。評価も、その知り合い

コメントは無く、ただ、気まぐれに誰かが寄って来て、そして去るだけだった



一度だけ、順位が付けられたことがある。ギリギリランクに載っている。三桁だった

コメントが来た。閲覧数がたくさん増えた。今まで見たこと無い数字だった


有名なジャンルで、それこそ趣味丸出しの設定から始まって、データを継ぎ足す前だったろうか
その辺りで、火が灯された

ぼんやりと憶えている

一ページ使う喜び方は嫌いだったので、ページの端(それでも見る人によっては目障り)に
素直な感情を残した

楽しかった、のだろうか、その後の更新は辛くなかっただろうか


・・・・・・やめようこの話は。みっともないのだ。過去の栄光に縋っている者は
どの話でも、大抵醜く書かれている

・・・・・・縋っているのか? 私が?

やめよう。この話を

過去は、取り戻せない。スランプに至った私は強引に話を終わらせた。それだけが気がかりだが

進むことも戻ることも出来ない私にはそれがお似合いだったんだ

やはり、私には相応しくなかったのだ。神が、それを教えるための機会を与えてくれたのだ


そうだ。考えようによっては、ランキングに載ることの何が楽しいのだろうか

趣味でやっている物は評価なんて不要のはずだ。要らないのだ。こんな事は

そして、ランキングに載るのは一瞬だけという事実が、ある


諸行無常。一度載ったら大抵それっきり。


ならば私は、このまま一生、自分の世界を、自分の中で終わらせていよう

それがあるべき姿のはずだった

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作者名:4696パーカー | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/102620014/  
作成日時:2015年3月7日 8時

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