ある患者の手記 ページ25
最近、喋ることの整合性を保てなくなってきた
親しい友達でも、後輩と話していても、いつも何を言ってるか自分でも解らなくなってしまうのだ
今日あった面白いことを話そう、面白いかな、面白可笑しく話そう。可笑しい事になちゃった
自分でも何を言っているか解らない。ごめんなさい、今のことは忘れて
そんな日常が、当たり前になりつつなってしまったら、どうしよう
友達居なくなる。人が居なくなる。大人でさえも諦める。私も諦める
だんだん私も整合性を求める事をやめる。支離滅裂
自分でさえも解らなくなった言葉を誰かが訳すことは出来るのだろうか
そして私は、言葉が解らなくなるのだろうか。皆が話している言葉も
うん、そうだ。宇宙人になろう。地球の常識に囚われているからいけない
星々を渡り歩いていれば、いつしか似たような言語や文法を持つ星があるかもしれない
そうでなくとも、私は、何物にも遮られなくなるだろう
文脈という言葉を失って、代わりに自由が手に入る。良いね、このシナリオ
もう狂人なんかと言わせない。でもまずは手始めにここから出なくてはならない。
窓から見る月が棒で遮られてよく見えないんだ。おまけに酷く騒がしいし、
黄色い救急車と、地球人に注意して、ここから抜け出るチャンスを待とう
そうしたら、その先に宇宙と、自由が待っているはずだから
〆
この後、精神病院から一人の女が脱走した
意味不明な事を言っており、近隣の住人に注意を呼びかけている
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作者名:4696パーカー | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/102620014/
作成日時:2015年3月7日 8時