二十六連 ページ26
「・・・・・・青江さん、主さんが居なくなったのって、何時ぐらいだったかな」
堀川が何かを考えている。それに気付くとにっかりは頑張って思い出そうとする
「そうだねえ、たしか午前中・・・・・・数珠丸捕獲の為に部隊入れ替えされて、僕は疲労回復の為に休めって言われたばかりで・・・・・・壁の時計は・・・・・・十時前後くらいだったかな?」
「・・・・・・堀川、まさか」
骨喰がそんなこと無いというように首を振る
「だって、幾ら僕達が人の体だったとしても、これだけの人数で探して見つからないなんて
ちょっと考えづらいよ。政府の方にも連絡したけど、今日主さんは一度も来てないって。
・・・・・・じゃあ」
「アレが数珠丸になった、とでも言うのかい?」
堀川は沈黙した
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「兄者、兄者、どこに向かうんだ?」
「んー、どこだろうねー。自分でもわからないかなー」
穏やかな髭切が早足で本丸を歩いている。
この髭切は例の審神者丸に手入れされる前、本丸中の負の気持ちや、そこから生み出される穢れを吸い取って生きると決意していた
だから、何故か白かったはずの髭切のカラーリングが変わっていた。比例して本人は目が見えなくなっていった
誰もが即数珠丸と答えるであろう審神者丸を一瞬で審神者と言い当てたのは気配しか見えていなかったからである
だか今は違う。手入れされて、審神者丸に浄化でもされたのか、体が軽い
目も見える。名前は忘れたが弟もハッキリ見える
「・・・・・・死ぬつもり、なのか? 兄者・・・・・・」
黒くなって、目も見えなくなっていく髭切の姿を、膝丸は一番近く、一番よく見ていた。
それこそあの審神者よりも
だからこそ、今にも消えそうな片割れのことを懸念していた
「・・・・・・かもねえ。長年生きてて顕現されてさ、始めは後輩達のために年寄りがどうにかしなくちゃなーとは思ってたんだけど、戦に使われる訳でも無く、ただの美術品みたいに置かれたら飽き飽きしちゃうよ。せっかく意志と肉を持ったって言うのに」
中庭に出て、刀身を空にかざす。いつの間にか夜になっていた
月は無い
「・・・・・・風の噂では、新しい審神者が来ると。今度はマシな奴だろうと」
「ほんとぉ? じゃあ死ぬのやめよっかな」
「やめるのか・・・・・・」
相変わらず源氏の刀は気まぐれで、よくわからなかった
「あの審神者丸君がここの審神者になるんだったらなお良し、かな」
すちゃり、と刀は仕舞われた
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uru(プロフ) - 成り代わりでここまで面白いのは見たことありません!!!ずずまるの魅力に気づけました!!ありがとうございます!!!ゆっちゃあなんですが更新頑張って下さい!!!応援してます!!! (2016年8月22日 4時) (レス) id: f276d6158a (このIDを非表示/違反報告)
白鶴@プリン系審神者 - 凄く面白いです!笑い過ぎて怒られちゃいましたww (2016年7月24日 19時) (レス) id: a7a89c602d (このIDを非表示/違反報告)
キョウヤ - 続き期待しています (2016年5月21日 12時) (レス) id: 3b742b943b (このIDを非表示/違反報告)
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