いつかのあの日2

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んー、考えても無駄な時間が過ぎるばかりで何も良い案が思いつかない

「とりあえずグラウンド行ってみるか。」

てかそもそも練習はまだやってるのかな。
篤人くんとすれ違いになっていたらどうしようとか思ったけど、案内板にしたがって練習グラウンドに行ったらまだ選手はそこに居た


「あーぁ。練習は終わっちゃってたか…」

なぜか人が私のいる付近にはいなくて丁度終わるところだったのか片付けをみんなでしているのが良く見える


「あ、いた。」

篤人くんはいるかなと探してみるとだるそうに袋を引きずりながら足で上手にボールを上げてその袋の中に回収している姿が見えた

隣にいるチームメイトであろう男の子に何かを耳打ちされてその人にでこピンをしようとしている(笑)


そして少し視線をずらすとグラウンドの入り口付近にはすごい人だかりが出来ている
あれが噂の出待ちの列だろうか
よく見ると若い女の人や少し年配の男性や小さな子供たくさんの人がいる

そこに混ざる元気もないしそんな公衆の面前でケータイ家に忘れてるよなんて言おうものなら篤人くんのファンに殺されるのは目に見えているのでもう少し様子を見る







選手がクラブハウスの方向に戻り始めると選手の名前をを呼ぶ声が人だかりから聞こえてくる
とりあえずもう少し様子を見てから私もクラブハウスの方に行ってみてスタッフの人に事情を説明してケータイを篤人くんに渡してもらうように頼んでから帰ろう

怪しまれることは確かだけど選手の車のまわりをうろうろされるよりはいいだろう


10分か20分か分からないけど出待ちの列から少し離れたところにあるベンチに座り選手がクラブハウスに1人、また1人と帰っていくのをぼーっと眺め、波が落ち着いてそろそろみんな帰り始めるかななんて時に立ち上がり、帰り始める人達から少し離れた場所をクラブハウスに向かって目立たないように歩く



ベンチに座ったせいで思ったよりも体温を奪われていたのか足先が冷たいのが分かる
こんな寒い中でサッカーの練習だなんて本当に尊敬する


篤人くんは引きこもりだと麻也くんは言うけど私よりははるかにアウトドアだと思う
仕事だからしょうがないのはあるんだろうけど。


少し歩けば見えてきたクラブハウスの入り口

中に入ればきっと誰かスタッフさんいるよねなんて軽く考えながらその入り口を私は通り抜けた



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