いつかのあの日2

31.atsuto ページ33

atsto side.

「Aさん」

A「ん？」


Aさんが泣き止んだので頭をなでるのをやめたけど体制はまだ抱きしめたまま


「今日俺が来たときソファーでみの虫になってたでしょ？
それもさっきの話のことで？」


A「うーん…
まぁそんな感じかな…
この間話した同級生と今日会ったの。
それでちょっとね。」


「そっか。」


ふと気になった今日家に俺が無断侵入したときのAさんの様子。
けど返ってきた返事は歯切れの悪いものでまだ俺には言えないことがあるのかなって思った



だけど一番のAさんを悩ませていた理由、多分初めてAさんをあの公園で見たときに泣いていた理由を聞けたから今日はこれでいいのかも知れない。









「…んー」


A「あ、ごめんね。
起こしちゃった？」



いつの間にかそのまま寝ていたらしい
腕の中がもぞもぞ動いたので目をうっすらまだ覚醒していない頭で開けるとAさんの顔のどアップ…

しばらく俺の頭はフリーズしてこれは夢なんじゃないかと思ったけど昨日の夜のことを思い出して現実なんだと少し嬉しくなる


A「篤人くんまだ寝ぼけてる？」


「んー…
今何時？」


そう聞くとAさんが俺の腕の中で頑張って手をのばしベッド横のテーブルに置いてあったケータイを見る


A「7時…
ごめん早くに起こしすぎちゃったね。」


「いや、大丈夫…
今日9時半から練習だから」


A「そしたらシャワー浴びて朝ごはん作ってくるから篤人くん、腕から私を解放してくれませんか。」


「えー(笑)」


少しさみしいなとか思いつつしょうがなくAさんを解放する



A「8時くらいにまた起こすからもう少しゆっくりしてて良いよー」


そういいながらAさんは部屋を出て行った


なんか今の会話、彼氏彼女みたいとか柄にもなく考えると顔がゆるむのが自分でも分かる



Aさんと本当に付き合えたらなと思いながらまだAさんの温もりが残っている布団にもぐって幸せな気分のまま、8時まで。と俺はまた意識を手放した…








.

作者より→←30

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す