いつかのあの日2

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「サッカー…ね。」

予想外の答えに普通に驚いた
サッカーの為にわざわざ？
学生の頃から確かに2人は日本代表がとかワールドカップがとかキャーキャー言いながら見ていた気がする。
私が誠と幼馴染だという事は隠してはいなかったけど地元の高校に進学した私にそれを隠すすべもなく日本代表に初選出された直後はお祭り騒ぎだったなー…



亜希「今ね、ウッチーがシャルケに居るでしょ？
あ、Aシャルケ分かる？」」

「え、うん。
分かるよ。」

ゲルゼンのチームだし。
篤人くんと会ってからはもちろん良く聞くけどこの街に来てから、試合に勝った夜はお祭り騒ぎだったし住んでいればその名前を聞かない日がないというくらいこの街の人たちはサッカーが大好きだ。


美穂「それでみんなでウッチー見たさに会社の有給使って日にち合わせて来ちゃったの(笑)」

亜希「今日の練習も見て来たけどほんとウッチーイケメンだったんだから！」

「そうだったんだ。」


今までたまに見かけた日本人の女の子たちは篤人くんを見に来てたんだね。
なんとなく苦笑いというかなんとも言えない表情をする篤人くんの顔が思い浮かんで来た

未だにさっきまでの興奮が忘れられないのか2人はその話題で盛り上がっている

ほら、サイン貰ったんだよとシャルケのユニフォームに小さく書かれたサインまで出し始めた2人にタイミングが良いのか悪いのか少し笑いながら注文した飲み物を運んで来たお姉さんによってとりあえず落ち着いてくれた(笑)



運ばれて来たコーヒーを一口飲んで目線をコーヒーから2人に向けると目が合う
なんとなくそれは居心地の悪い視線で思わず目をそらす

美穂「それでさ、Aに聞きたいことがあるんだけど…」

「聞きたいこと？」

…病気のことだろうか。
会うからには避けられないとは思ったけど、やはりそっとはしてくれないのだろうか…

さっきの2人のテンションはどこかに消え去ってしまい少し重い雰囲気がのしかかる
だから会いたくなかったんだ。
あの時とおんなじなんでしょ？
大丈夫って言いながらも心の中で可哀想って思うんでしょ？


そう嫌な感情が私の中でぐるぐるし始めた時に予想だにしなかった質問をされた







美穂「Aって長谷部さんと幼馴染だったよね？」

「…え？
あ、うんそうだよ？」


その質問に肩すかしをくらった気分だった
だってそれはもう学生時代に散々まわりに聞かれてうんざりした内容だったから2人は当然知っている

亜希「あのさ…」



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