いつかのあの日2

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篤人「Aさんご飯食べないの？」

「あ、うん食べるよ。」

篤人「なんかあった？元気なさそうだけど。」

「ごめんごめん。ちょっとお腹痛くて」

篤人「なに、あれ？」

「もうちょっとデリカシーある聞き方出来ないの？(笑)」




あの後どうやって美穂と別れて結花とご飯を食べて家に帰って来たかあまり記憶がない
結花に申し訳ないことしたな…


美穂には別れ際に家の場所を聞かれてゲルゼンキルヒェンだと言ったら私たちもみんなでゲルゼンに用事があってドイツに来たと説明され、連絡するからドイツにいる間にみんなで集まろうねと言わた。
結花には病気ってなに？大丈夫だよね？と美穂と別れた後に1度だけ聞かれたけど大丈夫だよと返すことしか出来なかった


篤人「Aさん携帯ずっとなってるよ？」

「あ、ごめんうるさかったね。」

画面を見ると美穂から。
別れた後からずっとくる

篤人「いや、そういう訳じゃないけど…」

「高校の時の友達がね、今ドイツに来てるらしくて…
たまたま今日の昼に結花とご飯食べに行くときに会ったんだ。
その子から…」

篤人「へー。
ドイツまでわざわざ何しに来たの？」

そうだ。
結局美穂たちがなぜドイツに来たのかは聞けないままだった。
ゲルゼンに用事があるとは言っていたけど自分が住んでいるからこの街のことは良く分かる。
観光地でも何でもない。
良いところだけどわざわざ日本から来たのはなぜだろう。
親戚でいるのだろうか。
それとも私以外にも同級生がこっちに住んでいるとか？
考えても考えても答えは出ない。

篤人「…遊んだりしないの？
高校の同級生にこっちで約束もしてないのに会えるとか奇跡だね(笑)」

「うん…そうだね。」


連絡を無視するわけにもいかずあたりさわりのない返事だけしていると話は勝手にどんどん進んでいる。

…別に美穂たちが嫌いなわけではない、と思う
本当に仲は良かった。
だけどやっぱり引っかかるのはあの時の出来事。

篤人くんには知られたくない。
いや、知られたくないんじゃない
篤人くんに可哀想だと言われたくない

篤人くんに…？


「…篤人くん」

篤人「ん？」

「…ふっ」

篤人「あー、なに笑ってんの。」

いつものように目の前でもぐもぐしている篤人くんを見たらなんだか落ち着いた。

「いや、いつもの篤人くんだなって(笑)」

誠とはまた違う落ち着く空気



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