いつかのあの日2

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聞いた？
同級生だったAさん
可愛そうだね


聞いた聞いた
本当に可愛そうだよねー
話聞いて自分じゃなくて良かったって思ったもん

あはは
サイテー(笑)





やめてよ
聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない


私は別に可愛そうなんかじゃない
なんでそんな目で見るの？
見ないでよ
こっち見ないで！








私はここにいるよ？
ねぇ、ちゃんといるのに…
なんで見てくれないの？




「っ…」

嫌な夢見たな

びっしょりと嫌な汗をかいていて気持ち悪くてシャワーを浴びる為に起きた
外はまだ真っ暗で携帯で時間を確認すると1時を少し過ぎたところだ


なんであんな夢見たんだろ
熱いシャワーを浴びて気持ちを整理したが汗と一緒にこのモヤモヤは流れてくれなくてすっきりとしない


冷蔵庫から水のペットボトルを出し一気に流し込む


そういえば
川島さんと誠とご飯を食べてから誠の家に帰って来てその後の記憶がない
ソファーでゴロゴロしてたところまではあるからそのまま寝ちゃったのかな
川島さんもいないし帰ったのかな
挨拶出来なかったなー


少しキッチンでぼーっとしてからゲストルームに戻りもう一度布団にもぐる

ドクン

「…っ」
ダメだ
目をつぶるとさっきの夢を思い出す


誠に話たら誠も私のことかわいそうって思うのかな

不安で不安で、自分から黙って日本を飛び出して誠に2年も連絡を取らなかったくせに久しぶりに会っても誠は優しい昔のままで。
自分勝手なのは理解してるけど昔みたいな今の距離感が嬉しくてもう離したくなくなってしまった

誠だけじゃない。
結花だって篤人くんだって麻也くんだって、ドイツに来てから会った人は私のことを何も知らない
いや、何も話してない

自分のことをかわいそうだというあの人達が嫌でドイツに来て私のことを知らない人達の中で気兼ねなくかわいそうじゃない私で過ごしてきたのに



自分の弱さに本当に嫌気がさす
何がもう昔のことなんだ
全然片付いてないじゃん
いや、片付くはずなんてないことだから目を背けて来たのか





「…っ」

泣きたい訳じゃないのに涙があふれてくる
そんなことにさえイライラして
布団の中で丸くなって早く朝になれと願うことしか出来なくて
なんて私はちっぽけなんだと再確認させられる




私は欲張りだ
分かって欲しい、理解して欲しい、私をちゃんと見て欲しい


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