〜105〜 ページ7
お互いなんだか気まづくなって、ただ黙って歩いた
辿り着いた先には洸太君の姿が
緑谷との会話を聞くに、やっぱり私と似てるなと思えた
私と同じで、この世界の現状を嫌ってる
緑谷はカレーを置いて先に戻った
一瞬目があって、私が首を横に振ったから
私はこの子と2人で話してみたかった
「てめぇも出てけよ!!」
『まぁ落ち着きなって。残念ながら私は緑谷と違って気の利いた事なんて言えないから』
「なんなんだよ!!てめぇだって同じだろ!!!」
『うん、君と同じ。親が殉職した。目の前で死んだ。世間はそれを賞賛したし、私は死にたくなった』
地面に座って空を見上げた
...泣きたい
『本っ当にさ...どいつもこいつもバカだ.....ヒーローは助ける為の存在？ふざけてる。それ以前に大切な家族がいる人間じゃんか』
「...じゃぁなんでヒーロー目指してんだよ」
『最近まで目指してなかった。何も知らないで平和ボケしてるヒーローにはなりたくない』
周りはいつも、お父さんが殉職だって言うと
辛かったね
大変だったね
元気出して
他人事のセリフばっかり
『あ、私は別に君を元気づける気ないから。そこんとこは分かっててね？ただまぁ...結果としてだけど、私もヒーロー科なわけ』
「何が言いたいんだよ...」
『ん〜.....ヒーローはバカの集まりって事かな』
私はそう言いながら笑った
いや、本気でそう思ってる
自分の命より他人を優先させる
なのに出来なければ一方的に批判を浴びる
理不尽
それでもヒーローは輝ける職だなんて
『バカだなぁ...って思いながら目指してる。君もね、きっとこれから大変なことは沢山あるよ。だから...』
「...うるせぇよ、結局てめぇだって周りと言ってること同じじゃねぇか」
『同じだった？ま、私は君のこと知らないしね。でもさ...君も私達のこと、何も知らないよね』
洸太君はよく分からないという顔
何も知らないってのは面倒だとつくづく思う
かと言って知られたくない
『ヒーロー目指してる気持ち悪い人間達。それが君から見た私なわけで、私からしたら君は、ヒーロー嫌いの男の子。お互いにこんくらいしか知らない』
梅雨ちゃんに言われたこと
何も教えてくれないから知らないのは当たり前だって
『人間って不思議だよね。何も知らないのに助けてくれる人が必ずいるんだからさ』
それだけ言い残して私は来た道を戻った
洸太君は黙ったまま、私の背を睨んでいた
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ハゲポン(プロフ) - めちゃ面白いです！ (2018年8月2日 16時) (
レス) id: e12b05bd84 (このIDを非表示/違反報告)
リンドウ(プロフ) - クロムさん» 訂正してきました。ありがとうございます。 (2018年7月15日 11時) (レス) id: f9b4659293 (このIDを非表示/違反報告)
クロム(プロフ) - 夜嵐イサナじゃなくてイナサですよ (2018年7月15日 10時) (レス) id: bb638616b1 (このIDを非表示/違反報告)
リンドウ(プロフ) - 妃薫。さん» 存分ににやけていってください！！楽しんでいただけて(？)良かったです！！ (2018年2月9日 19時) (レス) id: dfc50c3188 (このIDを非表示/違反報告)
リンドウ(プロフ) - AZWさん» 直しておきました！！教えていただき、ありがとうございます！！これからもよろしくお願いします！ (2018年2月9日 19時) (レス) id: dfc50c3188 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リンドウ
| 作成日時：2018年1月13日 17時
