はぁ。 ページ16
あたり一帯でたくさんの何かが爆ぜる音が、爆風で私の耳に運ばれてくる。
だが、今はそれどころではない。
「チッ、ゆっくりし過ぎたか。あの貴族様には箱を爆発に巻き込ませろってお達せなんだが……」
ジロリ、と人相の悪い男が私を睨む。
乱雑に摘むように持ち上げられ、宙ぶらりんの足が悲鳴を上げている。
いや身長高杉なんだけど。今そのまま落とされるだけでもワンチャン私の足折れるぞ。マジで。貧弱だから。
そして男は、下衆びみた笑いを浮かべた。
「まあいい。……中身なんて"無かったこと"にすりゃいいんだからな」
［ちょ、ヤバくね！？？］
［おい、大丈夫かよ。自分火は苦手だから逃げたいんだが］
【いーやーーー……。ヤバイね。あと毒蜘蛛氏は唯一の一発逆転の希望だからもうちょい付き合ってってよ。300円あげるから！】
［蜘蛛に金渡してどうすんだよ］
【あー、確かに〜】
［のんびりしてんなお前ら！！！死ぬぞ！？］
何故か一番身の危険がないトリプルセブンが一番焦ってるっていう。ウケるわー。(現実逃避)
脳内でそんな会話をしていると、完全に無表情の私に男は眉をひそめる。
「おいガキ、お前貴族に連れてこられたと言い……その骨と皮しかない身体と言い……何者だ？」
多少、私の出自に興味が湧いたらしい。
ラッキー！
兄からの助け……は門があるっぽいから望み薄として、こいつから逃げ出す算段を立てる時間の猶予ができる。
『ゴホッ、それを言えば……助けてくれるの？』
そう言いつつ、周りのゴミ山達に話しかけ逃走ルートを組み立てていく。
引き伸ばし過ぎても部下達が来ると詰む。
最短、かつ確実に。
私の言葉に男が笑みを浮かべる。
「そりぁ、お前次第じゃねえか？」
……うーん、この海賊も貴族にこき使われてるわけだし、私の身の上を聞いて同情して見逃してくれる、とかないかな。
それがベストなんだけどね。とりあえず今生き残れればそれでいいんだし。
どう返答しようか迷いつつゴミ山の声を聞いていると、何か異質な声が耳に入った。
【……た…、……せば…いか】
とても不快な声。悪意を具現化したような。
その声を辿ってみる。
【聞いたら、殺せばいいか】
「別に、俺はお前を助けてやってもいいんだぜ？」
【身の上がどうだか知ったことか。多少興味はあるが、ガキの不幸は酒の肴にちょうどいいぐらいだよ使い道は！】
『…………わたし、忌子なの』
人間ってこれだからキライだ。
華麗なる大回避曲（大円舞曲）→←流石に予想外。だから人生って楽しいんだけどねー！！
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うさぎもち - 壁たちの会話で爆笑しましたｗｗｗちょう面白いです!!!!更新頑張ってください！！！！！！！ (8月10日 0時) (
レス) @page15 id: 6ed501a3ba (このIDを非表示/違反報告)
あ - 777で笑ってしまった…。面白いです！気が向いたらでもいいので更新お願いします！！ (2022年7月20日 7時) (レス) @page22 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
明石蓮(プロフ) - 早く続きがみたいです！更新頑張ってください！ (2020年1月11日 1時) (レス) id: 47f87a13db (このIDを非表示/違反報告)
棗(プロフ) - あああああ!!!更新ありがとうございますおめでとうございます!!!びっくりしすぎてビックリマークが溢れてます!!!!!!好きすぎて好きです!!!これからも頑張ってください!!!!!!!!!!!! (2020年1月3日 19時) (レス) id: bb5b41793a (このIDを非表示/違反報告)
夢竜(プロフ) - とっても面白かったです！速く続きが見たい！ (2019年12月28日 10時) (レス) id: 2674e8aa46 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かなぎ。 | 作成日時：2019年4月7日 10時
