マルフォイ家物語・・・プロローグ編２ (ページ10)

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ホグワーツ特急１ページ10

1991年9月1日キングズ・クロス駅

　レイラ視点

　ホグワーツの学用品を買い終え二か月。私はその間、これまでの勉強の復習を。
そしてドラコも家庭教師(ガヴァネス)が夏期休暇でがいない間今までの復習……まあ、少しはしていたかな？
　ドラコは根は真面目で勉強もできる方なのだが、さすがに8歳の男の子に机にかじりついて勉強しろというのは酷なのだろう。
　ドラコは勉強よりクィディッチの方が好きだから、外がクィディッチ日和の快晴なら逃げ出したくもなるのかもしれない。
　それでも必要最低限はなされていたのだが、お父様としては不満らしく、
『マルフォイ家の跡継ぎは、レイラにせねばならんな』とよくおっしゃっていた。
割と本気の様子だったので、説得するのに苦労したのは余談である。
　そんな家族との日常とも、しばしお別れな時が来た。
　私たちは今、ホグワーツ特急の前に立っている。周りには様々な家の魔法使い、魔女だけではなく、そのペットが縦横無尽にそこら中を歩き回ることでかなり広い駅構内の割には手狭に感じるなと思った。
　こんな空間に長時間いるのはお母様がかわいそうなので、早々に別れを済ませ、ホグワーツ特急に乗った方がいいだろう。
「では、行って参ります」
「気を付けるのよ」
「姉上、お元気で」
　私の言葉を受け、お母様とドラコが目じりに涙を浮かべながら私を抱きしめる。
「いいか、何か困ったことがあれば、すぐに私に知らせるのだぞ。それとレイラ、レイラに限ってそんなことないと思うが、授業や学校のことで困った事があれば、魔法薬学の教授兼スリザリン寮の寮監をしているセブルス・スネイプという先生を頼るといい。私がホグワーツにいた頃、彼は私の後輩だった。それからずっと交流を持っている人物だ。何かあれば頼るといい。きっと力になってくれるはずだ」
　私がうなずくとお父様は話を続ける。
「さて、レイラ。最後にもう一度だけ確認だ。理解していると思うが、決してお前の体・のことがばれてはいけない。そうなればお前は大変まずい立場になってしまうかもしれないよ。十分気をつけなさい」
　私の体は半分セイレーンだ。露見すれば周りに差別されるかもしれない。それだけでも問題なのだが、それ以上の問題になる可能性があった。
　魔法界では、人ならざる者が杖を持つことは禁止されているのだ。
　セイレーンは亜人に分類される。人狼も同じく亜人に分類されているのだが、あちらは後天的になるものだから、今のところ見逃されているらしい。
　