マルフォイ家物語・・・プロローグ編２ (ページ35)

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闇に対する防衛学の授業２ページ35

近くに座っていたジャニスが怯えきった表情で小声で話しかてきた。
「まさかさっき先輩方がげんなりしてたのってこれが原因？」
「さあ？どうだろうね」
　ジャニスの質問に私は否定も肯定もできなかった。
　大半の生徒達はジャニス同様完全におののいており、それぞれが恐怖の表情を浮かべていた。
　そんな生徒達を他所に、シュタレインは構うことなく続ける。
「今日はまず簡単な防衛呪文を取得してもらおう」
　シュタレインが杖を振ると、黒板にいくつかの呪文とその論理、杖の振り方などが詳細な文字の羅列となって現れた。どれも一年生の最初に習うには難しすぎるものばかりだ。
　変身術の時と同じく、説明が終わると実技に入る。ペアになって呪文をかけ合う生徒達の間を、シュタレインも他の教師達と同じように見て回った。
「エクスペリアームス、武器よ去れ！」
　アニーが私に『武装解除』しようとするが、私の杖は手の中でピクリと動いただけで、彼女の方に飛んでいくことはなかった。
「う～ん、もうちょっとでコツを掴めそうな気もするんだけど……。難しいわ。そうだレイラ、呪文を私にもかけてみてくれない？そうしたら何か分かるかも」
「……分かった」
　成功させるには少々早すぎるような気もするが、まあいいだろう。それに、あの教師のことだ。手を抜いているように見られたりしたら、どんな鉄拳制裁が飛んでくるか分かったものではない。
「アニー、行くよ。エクスペリア―ムス！」
　アニーの手からぱっと杖が引き離され、私の方に飛んできた。
「うーん、こんな感じなのね……。なんか分かったような、分からないような」
　アニーが首を捻りながら武装解除された杖をレイラから受け取る。そしてもう一度互いに向き合ったその時、右の方の席から一際大きな声が聞こえてきた。
「エクスぺリアームス！！」
　直後、ドーンという何かが吹っ飛んだような派手な音が響き、天井からパラパラと粉が降り注ぐ。
「何事だ！！」
　血相を変えたシュタレインがバタバタとそちらに駆け寄った。
　生徒たちが注目す中、爆発が起きた方から二人の、赤色のネクタイと赤色のローブを羽織った少年の騒がしい声が聞こえてくる。今まで気づかなかったが今日の授業はスリザリンとグリフィンドールの合同授業だ。