ホグワーツ特急２ ページ11
レイラ視点
つい最近まで、人狼の杖の所持まで禁止にしようとしていた高・官・魔・女・がいたらしいのだが、狼男の理性を保つ薬の研究が最近目覚ましい進歩を遂げつつあることから、その動きに待ったがかかったらしい。
そして私の場合……人狼ではなく半分とはいえセイレーンなので禁止になる恐れがあった。
もしそうなったらマルフォイ家が全力で抗議するから大丈夫だとおっしゃってくださってはいるが、そんな迷惑は絶・対・に・掛けたくない。
「分かっております、お父様。お父様の迷惑になるようなことはいたしません」
そう一瞬渋い顔をされ、私の頭を撫でてくださる。
「……子供は親に迷惑をかけるものだ。ただ私はお前のことが心配なのだ。だが、その様子なら大丈夫だろうな。どうか頭の片隅にでも置いていてくれ。それ最後に例・の・巾・着・袋・はちゃんと忘れずに持ったか」
例の巾着袋とは付け爪の予備と発・作・を・抑・え・る・薬・が入った巾着袋のことだ。
爪が黒いのは普段は問題にならないのだが、校則でナチュラルピンク系統のネイルしか認められていない以上黒いネイルをしているからとは言えない。それに学校には郵便配達用のフクロウの他、生徒のペットもいるのだ間違ってもそれらを襲わないよう見た目がただの赤色のゼリーに見える動物の血液を固めた物が入ったケースを入れている。
「はい勿論です。お父様。」
「では、気をつけて行ってくるのだぞ。次はクリスマスに会おう。ああそうそう、言い忘れるところだったが、ブレスレットのことはホグワーツにも話を通してある。まあ、許可されなかったとしても、もう一度理事で押し通すだけだがな」
私はお父様、お母様両方にもう一度抱きしめられ、列車の方へ向かった。
ホグワーツ特急に乗り込むとコンパートメントから顔を出し、
「行ってまいります！！ お父様！ お母様！！ ドラコ ！！！ またクリスマスに！！」
お父様たちに手を振る。
お母様は片手で目元を拭きながら手を振り、お父様は片手を優雅にたてておられる。ドラコも手を振っていたが何か言いたげな表情をしていた。
ドラコは途中で恥ずかしくなったのか引っ込んだが、私は三人が見えなくなるまで、手を振り続けるのであった。
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作者名：尾崎紅葉 | 作成日時：2021年2月22日 9時
