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ページ8

「え……?」



納められた筈の刃が自分に向いている。


そう分かるまで、数秒掛かった。


だが、炭治郎が理解する迄なんざ、相手は待たない。



「何故庇う、少年よ。鬼を護り何の得になる?非合理的だな。弱者め、虫唾が走る。」

「なッ…!!」

「疾く娘を渡せ。今なら楽に一息で殺してやる。」

「禰豆子は、妹は渡さない!!絶対に渡すものか!!」



必死に箱を抱きしめ、炭治郎が叫ぶ。


伊之助は、「権二郎は強いぞ!」とさけんだ。


そんな二人を見、憐れむような瞳で見つめる。



「そうか。残念だなぁ。」



呟き、一本の木に向かって駆け出した。


(この際、隊律違反でも纏めてきってしまおうか)


冰斗が全集中、と小声で言う。


炭治郎はハッとした。


(そうだ。この人は柱なんだ。俺が敵う訳が無い。負ける。今回は…)


悶々と考えている彼を気にも留めずに、呼吸を使った。



「氷の呼吸、陸の型、龍漸香!」



技名を叫んだ途端に、何処からか藤に似た青色の花弁が舞い降りてきた。


次の瞬間、氷の龍が現れ、旋風を巻き起こしながら木をなぎ倒した。



「な…んだ、この…威力、は……」



炭治郎はただただ唖然とするしかなかった。

捌→←陸



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作者名: x他1人 | 作成日時:2020年11月4日 17時

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