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3【回想_怨念の権化】 ページ12
「ギョロ目!戦え!!」
「む?」
僕はそれだけ言って、彼に包丁で斬りかかった。
我武者羅に振り回す。
いとも簡単に彼は避ける。
全身で突きを出し、項を打たれる前に刀を飛ばした。
ちょっと誤算だったのは包丁でではなく腕で飛ばしてしまったことだ。
だいぶ深く切れた。
「ッ、少年!!」
「っせぇ!!黙って斬られろ!!」
「!」
渾身の力を込め、包丁を横に薙ぐ。
彼は後ろに下がり少し屈み、刃を避ける。
それでも頬を確りと切り裂いた感覚があった。
刃を返し、喉を狙う。
腕を振りかぶった時、強い力につかまれた。
「っにすんだよ!!って、水使い…!?」
柱の中でも最も苦手な人間が、僕の腕を掴んでいた。
ぱっと手を離され、思わず空いたその手で傷を抑える。
「お前、強くなりたいか。」
「…アンタには関係ない。この素材でできた刃で、妹を斬れれば何でもいい。」
「…妹…?」
「鬼になって殺戮を繰り返すだけの血の繋がった能無しだ。」
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作者名:誠 x他1人 | 作成日時:2020年11月4日 17時