キャプテン翼夢話 (ページ7)

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その5 ページ7

「はじめ？」
「私も、昔あったから…苦しくて悔しくて
誰も信用できなくて…そんな夢見たことあるんだ。そのときは…母さんが傍にいてくれた」

淡々と語るが、その瞳はどこか淋しげな感じがある。

「だから、今度は私が…傍にいてあげる。
　お父さんとかがよかったかもしれないけどね？」

いたずらっぽく笑う。

岬も、その言葉に少しだけ笑みを浮かべ「ありがとう」と告げた。

「さ、もう少し寝たほうがいいよ」
「うん、そうするよ…はじめ」

そうして、岬ははじめの手をもう一度握り目を閉じる。
そして数秒たった後、寝息をたて始めた岬を見てほっと安心をしたはじめ。
けれど、心に残る淋しさは消えることは無かった。

「……君はもう…1人じゃないんだよ。
　翼もいる、石崎達や日向君や若林君達…そんな人達がいるんだから…羨ましいよ」

その言葉は病室の中に虚しくこだまするだけだった。

～END～