30ページ ページ31
当然のことながら新隊員は3人まとめて堂上教官の隊にいれられ、野外行程は開始された。
「しかしなんて山よコレ、藤だらけじゃん」
「藤があったら何か悪いのか」
「手入れが行き届いている山には藤はこんなに蔓延(はびこ)ってないんですよ。
荒れ放題でしょう、この山。まぁ自然に返ってるって言い方もできますけど。
持ち主が管理しきれてないんだわ、お陰で歩きにくいったら」
「詳しいな」
「田舎育ちですからね。堂上教官は都会っ子ですか」
「育ちはずっと東京だな。図書隊に入ってからは研修で関東区内を多少回ったが」
郁は相槌を打ったつもりだろうが声が出ていなかった、
それに堂上教官が「すまん」と詫びた。
「手塚、笠原のスコップ持ってやれ」
嫌な顔をする郁と手塚
「隊活動は自分だけ基準をクリアしたらそれで合格ってもんじゃない。分かっているだろう」
「………了解」
「田辺は───」
と言われ下げていた顔をあげようとすれば、横を歩いていた小牧教官が声をかける。
「田辺さん、スコップかして」
『え、あ、はい。』
小牧教官にスコップをぬいてもらい、
『すみません、ありがとうございます』
「大丈夫だよ、しんどくなったら言ってね」
『はい、ありがとうございます』
スコップひとつで結構変わるものだ、最初より少し足が軽くなった。
「無理せず、頑張ろうね」
ポンポン
『はいっ』
─────────────────────
「日暮れギリギリとはいえ当日中に到着か。女子が混じった条件でよくやった」
郁とAは女子ということで一人用テントだ
テントを張り、夕食を食べ、あとは寝るだけ
『あ…綺麗』
星がとても綺麗でテントから少し離れた見渡しの良い場所に来た
『星、久しぶりに見たなぁ』
「俺も久しぶりだ」
『…小牧教官、せめて声をかけてから話し始めてくれないですか?びっくりします。』
「驚いてる田辺さんが可愛いからついね」
『………//』
「クククッ」
『こ、小牧教官って、都会っ子てすか?』
「うん、東京育ちだよ、田辺さんは?」
『んー東京ですね、一応。笑』
「一応の理由聞いてもいい?」
『もちろん大丈夫です。
えっと、生まれが京都なんですよ、でも転勤族で、京都→愛知→鳥取→京都→大阪で、いま東京なんですよね、だから普段は標準語喋るんですけど、たまにふとした時に関西弁が出てまうんです。』
「ふとした時、」
『はい。例えば、んー焦った時とか、恥ずかしい時とか、』
280人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ふき(プロフ) - 最高です!もう、一気に読んじゃいました!関西弁も最高だし!これからも頑張ってください! (2018年12月20日 23時) (レス) id: 1322b25ff7 (このIDを非表示/違反報告)
あさ - 物語一気に読んじゃいました。 沢山の直しを言ってしまいすみませんでした...。 物語の終わり頃主人公ちゃんやっと自分の 気持ちに気が付くことが出来ましたね。 パート2のほうではどうなっていくのかが 気になります。 (2018年10月30日 1時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
あさ - 物語読んでいて気が付いたのですが...。 48ページのここの台詞 『男の子をかばいながら、すぐ終わるだろうって思ってたら、結構長くて…せめて誰が見つけてくれないかなっ これ正しくはせめて誰かではないんでしょうか? (2018年10月30日 1時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
あさ - 物語読んでいて気が付いたのですが...。 同じく46ページのここの台詞 抱きしめてもいいか聞かれたのに、 私から行かないと聞けないとは… これ正しくは私から行かないといけないとは... ではないんでしょうか? (2018年10月30日 1時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
あさ - 物語読んでいて気が付いたのですが...。 46ページのここの台詞 郁が越えを荒らげると玄田が難しい顔で呟いた。 これ正しくは声をではないんでしょうか? (2018年10月30日 1時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:きぃ太 x他1人 | 作成日時:2018年10月17日 20時