青学の天才に恋をしてから。

１０９，過去 ページ34

華子ｓｅｅｄ


お姉ちゃんが２年前

精市先輩とつきあって、別れた後のテスト期間の日

お母さんに言われ差し入れを持っていくと

「・・・」
ベッドで寝ているお姉ちゃん
机の上には終わったであろうテスト勉強の後
かばんの中にはすでに見直しが済んだノート

「・・・お兄ちゃんと一緒だ」
そうつぶやくと

机の上に差し入れを置いてさっさと部屋に戻ろうとした

その時


「・・・いち」

お姉ちゃんが寝言でつぶやくのが聞こえた



よくみると目元には静かに雫が流れていた



いったん部屋に戻って紙にあることを書いてお盆の下に挟んだ


「・・・」

そして、私は部屋から静かに出て行った
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝

「ん・・・」
起きると

机の上には差し入れ


そっと下に挟まれている紙

「華子・・・か」

それにしても

あんな夢を見るなんて



「・・・早く英二のところに戻りたいよ」

あんな笑顔でいつも迎えてくれる


大事な幼馴染


「・・・」
紙に書いてあることは察した

「こんなことあるわけない」



いつか放たれた言葉の刃は私の心を苦しめる

それ以上のものなんてない





夢はそのまま夢
それが現実にはならない




夢はいつまで続く？

そんなのいつまでもとしか言いようがない









小さな手紙に書かれてることは




絶対にかなわない





かなうのなら今でも何で苦しめる？









―――いつか、仲直りできるといいね―――

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